モチベーション

エネルギーに呑まれるな

 

時々、私は

自分でも怖くなる

くらいに

モチベーションが

高まる時が

ある。

 

最近は特に

その頻度が上がって

いるが、

 

実はそういう時ほど

慎重になる。

 

自分の内側から

エネルギーが

大量に溢れ続けると、

 

ある意味、

 

何も

観えなくなる。

 

エネルギー量が

凄くて、

視界が真っ白に

なる。

 

しかもそれは

とても気持ちの良い

状態であるし、

 

何でもできてしまう

感覚にもなる。

 

要するに、

「何も怖くない」

という

状態だ。

 

この状態のまま

私は

「絶対に」

人に

会わないことに

している。

 

なぜなら

自分のエネルギーに

そのままほだされて、

イケイケどんどん

のまま

突っ走ってしまう

からだ。

 

そしてそういう時ほど、

目の前の人を

置いてけぼり

にしてしまうか、

 

もしくは

知らぬ間に

傷つけてしまう。

 

イケイケどんどん

の気分になること

自体は悪くはないが、

そのまま現実を

進めるのは

大抵、

後でおかしなことに

なる。

 

だから

自分の中から

あまりにも大量な

エネルギーが湧いて

来た時は、

 

私は必ずまず、

自分の足元を

見つめる。

 

ちゃんと、

自分の足が

観えるか?

 

ちゃんと

大地に立てているか?

 

を確認する。

 

足元が観えない

場合は、

そのエネルギーの

放出を

止める。

 

と言っても

なかなか止まって

くれないのだが、

 

自分の体の

中心に、

そのエネルギーを

大事に大事に

抱くようにする。

 

そして

「我に返る」

ことにしている。

 

・・・・・・

 

エネルギーは

大事。

 

モチベーションアップ

も大事。

 

しかし、

何も観えない状態で

進むことは

本当に

やめた方がいい。

 

私が特に

企業経営者の

コーチングで

気をつけているのも

ここだ。

 

社長が単なる

イケイケどんどんで

進まないこと。

 

ちゃんと、

あらゆる現実を

見つめて、

観察して、

見極めて

進むこと。

 

エネルギーを

放出しなければ

進めない、

のであれば

それは

その人のエネルギーが

まだ少ない証拠だ。

 

エネルギーの

少ない人は

自分を鼓舞しなければ

進めないから。

 

本当に

エネルギーの高い

人は

静かだ。

 

肩の力を抜き、

静かに

微笑んでいる。

 

力を入れずとも

淡々と

自然体のまま

決めたことをすべて

やれる。

 

つまりは、

持っているエネルギーを

「落ち着いて」

発揮できる。

 

どこに

エネルギーを

集中させて、

どこで

エネルギーを

あえて分散させて、

どこで

エネルギーを

あえて鎮めるか?

ちゃんと

わかりながら

進むことができる。

 

その状態に

常に

「戻る」

ために、

私のコーチングは

あるのかもしれない。

 

人にはもともと

内包されたエネルギーが

必ずある。

 

それが発揮されるように

なるのは

当たり前。

 

ちゃんと真本音で

生きれば、

皆、そうなれる。

 

問題は

そこからだ。

 

開放された

エネルギーを

どのように

コントロールするか?

だ。

 

つづく

 

もう解放してもよいのではないか

 

こんな風に書くと

変な風に聞こえるかも

しれないが、

 

私は私自身の

あまりのエネルギーの

高さに

呑まれそうになって

しまうことがある。

 

昔はこんなことは

なかったのだが、

真本音度合いが

高まってからは

時々、来る。

 

実はその

高いエネルギーを

人前で見せたことは

一度もない。

 

私自身が

呑まれるわけには

いかないからだ。

 

下手をすると

人前では

私はいつも

自分のエネルギーを

1%も見せていない

かもしれない。

 

でも、

こういう人、

今は

増えているのでは

ないか?

 

・・・・・・

 

「内発的モチベーション」

という言葉が

ある。

 

一般的にも

使われる言葉だが、

私は以下のように

定義している。

 

と、その前に

「外発的モチベーション」

との区別から

入った方がいいかな。

 

外発的モチベーション

とは、

外からの影響によって

動機付けされ、

やる気が高まること

を言う。

 

例えば、

誰々に喜ばれて

やる気が高まった、

とか。

 

お給料が上がって

やる気が高まった、

とか。

 

好きな仕事と

巡り合えて

やる気が高まった、

とか。

 

要は、

「現実」が「自分」に

影響を与え、

やる気が高まる

という状態だ。

 

通常、

「モチベーション」という

言葉を使う場合は、

ほぼほぼ、

こちらをイメージする

人が多い。

 

それに対して、

内発的モチベーション

とは、

今の「現実」がどうか?

まったく関係ない。

 

嬉しいことがあった

とか、

悲しいことがあった

とか、

「現実」とは

関係なく、

 

ただただ

自分の内側から

エネルギーが

高まってきている

状態だ。

 

通常は、

真本音度合いが

高まるだけで、

人は

内発的モチベーションが

上がる。

 

「現実」とは

関係なく、

内側からエネルギーが

湧いて来るのだ。

 

だからよく

私のコーチングを受けて

真本音度合いが上がると、

 

「状況は何も

変わっていないのに、

なぜかとても私、

毎日元気です」

 

「以前は不安に負けて

足がすくんでいましたが、

今はなぜだか、

多少の試練では

揺るがないどころか、

それを楽しんでいる

自分がいます」

 

などのお声を

いただく。

 

これは私自身も

そのような体験の

連続だったので

よくわかる。

 

ところが、

真本音度合いが

高いのが当たり前の

状態が続くと、

 

ある時ある瞬間に、

まるで何かの

殻が壊されたように、

凄まじい

というくらいの

エネルギーが

湧き始める。

 

何かの臨界点を

超えたように。

 

その状態に

入る人は、

逆に、

エネルギーマネジメントが

必要になるのだ。

 

つまりは、

省エネルギーで

進む必要が

出て来る。

 

自分のエネルギーを

自分で管理し、

 

必要な時に

必要なだけ

エネルギーを

使える状態

 

を維持できるように

するのだ。

 

・・・・・・

 

そしてこの

エネルギーマネジメント

が上手くできるように

なるのに

時間のかかる人が

多い。

 

私自身も

そうだったし、

今の私のクライアントさんは

この段階の人が

増えている。

 

ただ、・・・

 

その状態にある人

に、

あえてここで

お伝えしたいのは、

 

もう、

あなたのその

エネルギー、

一気に

解放してしまっても

よいのではないか。

 

・・・ということ

である。

 

私自身に対しても

言える。

 

これまで

1%未満に抑えていた、

そのエネルギーを、

 

もうちょい

解放しても

よいのではないか、

と。

 

それだけ、

世の中が整って

きたのだと思う。

 

「実在」のレベルでは、

世の中の

真本音度合いが

上がってきているし、

 

多くの人々の

「準備」も

あなた自身の

「準備」も

整ってきているのでは

ないだろうか。

 

これまで

無意識に躊躇してきた

その「躊躇」を、

もう少し

緩めてもよいのでは

なかろうか。

 

そういった意味で

2019年は

解放の年

なのかもしれないね。

 

つづく

 

本当はエネルギーは枯渇しない

真本音度合いが高まると、

モチベーションが高まるのですか?

 

・・・こんなご質問も

よくいただきます。

 

もちろん、モチベーションは高まりますが、

それは一般的に言われる

モチベーションとは

少し異なるかもしれません。

 

モチベーションとは直訳すると

動機付け

となりますが、要するに

やる気とか熱意とか

そういった捉え方をすれば

わかりやすいですね。

 

一般的にはモチベーションとは、

何かの現象(現実)が起こる

結果として

高まります。

 

例えば、

何か嬉しいことがあった。

だからモチベーションが高まった。

とか。

 

自分のやりたい仕事に巡り会えた。

だからモチベーションが高まった。

とか。

 

自分の夢を見つけることができた。

だからモチベーションが高まった。

とか。

 

私の年代では、

給料が上がることで

モチベーションが高まるという

傾向がありましたが、

今の若い人達は

給料よりも、やりがいや使命感や

社会的意義などで

モチベーションが高まる、というのは

最近よく聴く話です。

 

いずれにせよ、

一般的にはモチベーションとは

何かの事象の結果として

高まるもの、

と言えます。

 

が、真本音度合いが高まることで

引き起こされるモチベーション

というのは、

そういったものとは少し異なります。

 

真本音度合いが高まることで、

ただそれだけのことで、

私達は心の中心部分から

エネルギーが湧き続けるように

なるのです。

 

心の中心部分から、

ということはつまり

魂から、

という表現でも良いです。

 

どちらかと言えば、

真本音度合いが低い場合は、

自動車と同じように、

ガソリンを入れなければ、

エネルギーは高まりません。

 

自動車はガソリンが切れれば

動けなくなります。

 

同様に私達も真本音度合いが低ければ、

何かモチベーションを高めるような

事象が起こらなければ

エネルギーは湧き起こらないのです。

 

しかし真本音度合いが高まれば、

現実的に何が起ころうが、

または、何も起こらなくても、

もっと言えば、

たとえ毎日、望まない結果が続いたとしても

私達の中心から湧き起こるエネルギーは

絶えることがありません。

 

常に内側から

まるで泉のように

エネルギーが湧き続けるのです。

 

要するに、エネルギーを

自家発電できるようになるのです。

 

ということはつまり、

今自分が置かれている環境は関係なくなる

ということです。

 

どのような環境においても

充分なエネルギーを

私達は得ることができる、

ということです。

 

実際に私達の真本音は

「環境」を選びません。

 

「環境」や「状況」には

ほとんど関知しません。

 

それよりも、

今この瞬間における自分自身の

「生き方」

を大事にします。

 

つまり、

自分が本当に望む生き方を

今、ここでできているかどうか?

を大事にします。

 

ですから極端に言えば、

夢がなくとも、

望む仕事に就いていなくとも、

好きな人と一緒にいなくとも、

私達は真本音の望む「生き方」を

実践し続けているうちは、

ずっと、心の中心から(魂から)

エネルギーが湧き続けるのです。

 

その結果として、

今ここにおける「環境」や「状況」を

自分の望むものに

変えていくことができます。

 

「環境がこうだから自分はこうなる」

のではなく、

「自分はこうだから、環境をこうすることができる」

というように、

人生のハンドルを自分自身で

握ることができるようになります。

 

「良い環境にないから、

私の人生はひどいことになった」

というのは

真本音度合いの低い人の

セリフです。

 

周りや環境のせいにしているのは

真本音度合いの低い証拠です。

 

そして、

以前にも書かせていただきましたが、

真本音度合いが高いということは

イコール、

その時点における最も高い次元の

自分の意識に基づいて生きる

ということです。

 

ということはつまり、

高い次元になればなるほど、

私達は、

「環境」や「状況」に関わらず、

自分の人生を生きることができる

ということなんですね。

 

つづく

 

自己満足の気合いでは、何も見えなくなる

「あぁ、お二人とも

だいぶ不安定になっていますね。

それでは、良い判断が

できないでしょう。」

 

木村さんと弓江さんの2回目の

二人コーチングの冒頭で、

私はそのようにお伝えしました。

(→前回記事)

 

二人にとっては

予想外の一言だったようです。

 

少しの間、二人は無言でした。

私の言葉に戸惑っていたのでしょう。

 

冷静な口調で弓江さんが

言いました。

「私達は今、不安定ですか?

私にはその自覚がありませんでした。」

 

木村さんも口を開きました。

「むしろ、いい状態だと

思っていましたが・・・。」

 

「いい状態、だと感じていた

理由はわかります?」

 

「すごくエネルギーが湧いてきています。

モチベーションが高いです。

集中力もあります。

前向きですし、絶対にやってやろうという

意志が高いです。

今日のこのコーチングも楽しみで

しょうがなかったです。」

 

「弓江さんはいかがですか?」

 

「そうですね。木村リーダーとほぼ同じです。

これまでとは少し違うレイヤーの意識に

自分はいるという気がしていました。」

 

「なるほど。

では、一つ今から問いをお二人に投げますので、

直観的にお答えいただけますか?」

 

「はい。」

 

「お二人の真本音は今、

どこにいますか?」

 

最初に弓江さんが答えました。

 

「あっ、なんか、私から離れている

気がします。

私の後ろの上の方、3mくらいの

ところにいるような気がします。」

 

「木村さんはいかがですか?」

 

「私も離れている気がします。

私は50mくらい後ろの方にいます。」

 

「では、その真本音の位置から、

今ここにいるご自分自身を

観察してみてください。」

 

二人は言われた通りにしました。

 

「どうです?

どのように見えますか?」

 

最初に木村さんが

言いました。

 

「なんか、自分の全身から炎が

上がっています。

その炎の中にいます。

でも、炎の中なので、外の世界がきちんと

見えていない気がします。

自己満足的な・・・。」

 

次に弓江さん。

 

「何でしょうか。

自分は、自分の内側のみを見ている

ような気がします。

外に意識を向けていません。

自分のエネルギーを楽しんでいますが、

それだけのようです。

私も自己満足しているのでしょうか。」

 

「お二人は、

新規事業プロジェクトのメンバーが

減ったことが、本当に嬉しいのですね。

なぜなら、直観的に

これで調和性の高いチームになると

思えたから。

そして、これで実績も上がるはずだと

思えたから。

さらに、人数が減らされたのに、

計画以上の実績を上げることができれば、

我ながら凄い!と思えたのではないですか?」

 

「その通りです。」

と木村さん。

 

「それはそれで、問題はありません。

でも、その直観が嬉しくて、

逆に意識が自己満足的な方向に

向かってしまった。

と同時に、

言った以上は、必ず実績を上げなければ!

と気合いを入れた。

気合いを入れること自体は大事ですが、

それは自己満足的な気合いですね。」

 

二人の心がギュギュッと

固くこわばったのがわかりました。

 

「まぁでもそれも人間でね。

そういった心になることをやめてください、

と言う話ではないのですよ。

大事なのは、

そういったご自分を真本音の視点から

客観的に見て、どうしたいか?ですね。」

 

「いやぁ、自己満足は嫌ですね。」

と木村さん。

 

「私は自己満足をするような人間ではないと

これまで思っていましたが、

結構しちゃうのですね。」

と弓江さん。

 

「自己満足するご自分を責める必要もありませんし、

否定することもありません。

それをあるがままに見つめることが大事です。

では、そういった自己満足的な自分に対して

どうしてあげたいですか?」

 

木村さんが言いました。

「私は自己満足な自分も可愛らしいと

思います。

ただ、その自分の中に閉じこもっているのは

嫌ですね。

そこから出たいです。」

 

次に弓江さん。

「私もなんか、こういう自分がいたのだと

思うと、ちょっと自分を可愛らしく思います。

でも、その中にはいたくないですね。」

 

「じゃあ、どうしましょうか?

その真本音の視点から、今の自分自身に

声をかけてあげてください。」

 

「まぁそんなに力まずに。

やるべきことをしっかりと見出して、

一歩ずつ着実に進もうよ。」

と木村さんが自分自身にメッセージしました。

 

弓江さんは、

「気合い入れ過ぎじゃない?

そんなことでは、本質を外してしまうよ。

もっと楽に力を抜いて進もうよ。」

とメッセージ。

 

その瞬間、お二人から一気に

肩の力が抜けた感覚が伝わってきました。

 

「気合い」が抜けたのです。

 

「では、お二人とも、

真本音を自分の体の中に

戻してあげてください。」

 

二人がそうすると、

その瞬間に、場の空気感が

一変しました。

 

二人の目が「自然体」に

戻りました。

 

そして、まっすぐに私を

見つめてきました。

 

見つめていますが、それは

とても軽やかです。

心地よい風が吹いてくるようです。

 

この瞬間、前回の二人コーチングと同じく、

私達は、「一つ」になっていました。

 

「ようやく元に戻れましたね。

では、コーチングを始めましょう。」

 

つづく

 

的確な枠こそが、心を自由にさせる

「なぜ木村さんがコーチに向いていないか、

わかります?」

 

「はい、だって私は、

自分が主役でいたいからです。

だから、ロックバンドやってますしね。」

(→前回記事)

 

木村さんがこう答えた時、

私は実在レベルで、

木村さんの雲が完全に取り払われたのを

感じました。

 

そして、雲が取り払われたことによって

姿を見せたものがありました。

それは、

小さな一輪の花でした。

 

紫色で、とても小さく可愛らしい花ですが、

スッと一直線に茎を伸ばし、

凛として立っています。

 

イメージとして表現するとそんな感じですが、

「実在」ですので、

それは脳を使わずに感知したものです。

 

あぁ木村さんはやっと

木村さんの本来の花を咲かせ始めたんだな、

と思いました。

 

今後はその花を

大切に育てていくことです。

 

「やっと本来の木村さんらしさが

出て来ましたね。

どうですか木村さん、

自分が主役でいたい、と改めて認識されて、

今の木村さんの心は自由ですか?」

 

「はい、自由です。

なんか、急に肩の荷が降りた感じがします。

とても楽になりました。」

 

「じゃあ木村さん、

木村さんはこれからご自分のエネルギーを

何に向けたいですか?」

 

彼はニッコリ笑いながら言いました。

 

「もちろん、新規事業プロジェクトの成功です。

なんか、自分がなぜプロのコーチになりたい、と

言ったのか、まったくわからなくなって来ました。

そんなことはどうでもいい。

私はプロジェクトリーダーとして全力を尽くしたい。

そしてそれを成功させて、

平井を喜ばせたい。

あっ、たけうちさん、私は平井のためにやるんじゃないですよ。

自分のためにやりたいんです。」

 

「笑。わかってますよ。

自分のため=平井さんのため、でしょ。

平井さんを喜ばせたい、というのも木村さんの真本音です。

自分の喜び=平井さんの喜び、になってますよね。」

 

「そうなんです。

私は本当に平井のことが好きなんですねぇ。」

 

このブログをお読みの皆さんは覚えて

いらっしゃるでしょうか?

 

この木村さんとのやりとりをご紹介しているのは、もともと

「私達人間は、的確な枠(もしくは、限度・限界)を与えることで

可能性を伸ばす」

という原理をご理解いただくためでした。

(→【自分の可能性は無限? それはハッタリです】)

 

この場合の木村さんにとっての「的確な枠」とは、

新規事業プロジェクト

に他ありません。

 

つまり、今の彼は、彼自身に与えられた

新規事業プロジェクトのリーダーという役割を全うすること

によって、彼自身の最大の進化を引き起こせる

ということです。

 

しかし彼は、イケイケのパターン(クセ)を出し、

その枠を外れた発想(=プロコーチになる)を始め、

エネルギーが完全に分散してしまいました。

 

実は「コーチング力を伸ばしたい」という想い自体は

彼の真本音だったのですが、

その真本音の想いを実現するためには

「新規事業プロジェクトリーダーという役割の中で

コーチング力を伸ばす」

というのがベストだったわけです。

 

そしてもうお気づきのように、

こういった「的確な枠」とは、本人にとっては

「枠である」

という認識がありません。

 

「ここでこそ、全力を注ぎたい」

とか

「今はここに集中したい」

といったように、エネルギーの焦点化を起こすような

モチベーションのもと、になります。

 

つまり、「的確な枠」をはめることで

モチベーションが高まるのです。

 

逆に言えば、

人には、最もモチベーションの高まる「枠」が

存在するということです。

 

それを見つけることも

コーチとしての大事な役割の一つです。

 

つづく

 

その提案は止めなきゃならない

今回も平井さんとのやりとりをご紹介しましょう。

(→前回記事)

 

「たけうちさん、

部下からの提案を聴いていると、時折、

私の提案を止めてください、

って言われているように聴こえることが

あるんですよ。

その部下は一生懸命、説明をしているのに。

どうしても、

止めてください、止めてください、

としか聴こえないのです。

そんな時は思わず、思いっきり反対してしまうんです。

本当は賛成してあげたい気持ちは山々なのに。

こんなんでいいんでしょうかね、私は?」

 

「ちなみに、それはどのような提案

だったのですか?」

 

「二つあるんですけどね、・・・」

と平井さんは二人の部下からの提案内容を

私に教えてくださいました。

まったく別の部署の、まったく別の提案。

 

しかし、その二つの提案には

共通するものがありました。

それが、・・・

 

「平井さん、恐らく私もその提案、

止めてますよ。」

 

「やっぱりですか?

なぜでしょうねぇ?

内容自体はいいと思うんですけど・・・。」

 

「平井さんは、部下の皆さんの真本音を

キャッチできるようになったんですよ。」

 

「えっ? 私がですか?」

 

そうなんです。

提案内容を聴いて私が感じたのは、

その提案に対して、その社員さんは

本気ではないな、ということでした。

つまり、真本音から出た提案ではない、ということ。

 

そういう時は、何らかの別の思惑があるか、

もしくは、本人にも気づかない

心の淀みがあるか。

 

いずれにしてもそういった提案を

受け入れても、物事は上手く運びません。

何らかの不調和が起こるからです。

 

それが二つの提案に共通するものでした。

 

平井さんは、そういったことを

キャッチできるようになっていたのです。

 

一般的にはこれを第六感と言うのかも知れませんが、

第六感とは、実は何も特別なものではなく、

私達は他の五感と同じように、

普段、いつも感じていることなのです。

 

しかしその感じていることに

自分が気がつかない。

 

人間が本来持ち合わせている能力を

私達は随分と使わずに、

勿体ないことをしているのです。

 

ところが、自分自身の真本音度合いが高まれば、

その本来の力も発揮しやすくなります。

平井さんがまさに、そうでした。

 

「平井さん、では逆にお尋ねしますが、

平井さんからご覧になって、

あぁ今、あの社員からは良い提案が出そうだな、

という人はいませんか?」

 

「あっ、いますいます!

3人ほどいますよ。」

 

「それは何か理由があって

そう思うのですか?」

 

「いや、特に理由はありません。

実際、その3人から自発的な提案を受けたことは

これまでに一度もありませんし。

でも、何となく、出てきそうな気がしますね。」

 

「じゃあ、その3人に声をかけてみてください。

で、指示を出してください。

何でもいいから、いついつまでに私に何か

提案をしなさい、って。」

 

平井さんは半信半疑で実際にそうしてみました。

すると、なんと、期限よりも前に3人ともから

提案が提出されたそうです。

しかもそれを見ると、・・・

 

「かなり未熟な提案には違いなかったのですが、

私と一緒にブラッシュアップすれば

とても良いものになると確信できるものでした。」

 

この展開があった時に、私は

あぁ本当に、平井さんは真本音度合いが上がったんだ、

としみじみ実感しました。

 

平井さんの直観力は以前と比べて、

並外れて向上していたのです。

 

このように、真本音度合いが高まると、

理解や理屈を超えた「感覚」や「直観」が働くようになります。

 

それは、心の中が常に淀みのないスッキリした状態

にあるという理由と、もう一つ、・・・

 

「平井さん、今の平井さんは心の奥底からずっとずっと

パワーが湧き続けていることがわかります?

ずっと心が満ち足りているでしょ?」

 

「あっ、そうですね。

言われてみれば、確かにそうです。

いつの間にか、今の状態が当たり前になっていますが、

車で言えば、以前はずっとガス欠状態で

頑張っていた気がしますね。

今はずっと満タンです。

外からガソリンを入れなくても、内側から

ガソリンがずっと湧き続けているようです。」

 

私はこれを

「内発的モチベーション」とか

「内発的パワー」と

呼んでいます。

 

つづく