組織には「ツボ」があります。
人間の体と同じく、
このツボを押せば健康になれる、
このツボを押せば活性化する、
という要所があります。
ただ、人間の体と違うのは、
その要所は、移動するということです。
具体的に言えば、
「今は誰にどのような刺激を入れることで、
全体の活性化につながるか?」
という、ツボとなる人が必ずいるということです。
しかもそのツボは、
人から人へと受け継がれていくもの。
そういった前提に立てば、
「今、ツボとなる人に対して、誰をどうつなげばよいか?」
が、組織活性化の最重要ポイントの一つになります。
前回の記事では「調和性」という考え方を
ご紹介しました。
その視点から言えば、
・今、ツボとなる人は誰か?
・その人と調和性の高い人は誰か?
・それらの人達をどのように結びつけるか?
というマネジメントをします。
それが「人と人をつなぐマネジメント」の基本です。
平井さんは、それをし続けました。
上記のように書きますと、
少し難しいことのように感じるかもしれませんが、
それは日常的に活用できることなんです。
例えば平井さんがいつも気にしていたのは、
今は誰と誰がランチを一緒に食べると良さそうか?
ということです。
ツボになる人がAさんだとして、
今はAさんと調和性の高い人はBさんだから、
AさんとBさんが一緒にランチすると良さそうだな。
そこでは、このようなテーマのお話をすると良さそうだな。
・・・というようなことを考え、
平井さんはAさんとBさんを一緒にランチに誘います。
誘わなくても、さりげなくそのような
シチュエーションを創ることもあります。
そしてさりげなく、そのようなテーマを
話題として出して、堅苦しくなく、
ランチを楽しみます。
例えば、ミーティングや会議も同様です。
今は誰と誰がどのようなテーマで
ミーティングを行なえばよいか?
そこでは、どのような席順で座ればよいか?
そして、どのような順番で
意見を求めればよいか?
などを発想し、そういった場を創ります。
ただし、発想した通りに絶対に物事を
進めなければならないということでは
ありません。
できるだけ綿密に発想しますが、
あとはその場のムードや流れに任せます。
「その方が面白い展開になりますから」
と平井さん。
こういったことを日常的に
繰り返していくだけでも、
組織の調和度合いや活性度合いは
根本的に変化します。
こういったことは平井さんは
最初からわかっていたわけではありません。
いつもじっと社員さん達を観察し、
(義務としての観察ではありません。
興味を持ち楽しみながら観察し続けていました。)
いつも順番に社員さん達と面談を続ける中で、
思いつき、自然にやり始めたことです。
しかしその効果があまりにも大きく、
いえ、大きいどころか
そういった些細なことから想定外の
面白い展開がたくさん生まれるのを目の当たりにし、
平井さんは
「何気ない日常における、一つ一つの“つなぎ”こそが、
組織活性化の要だ」
と気づかれたのです。
しかし平井流リーダーシップは
これだけでは終わりません。
普段、このような“つなぎ”をしておいた上で、
ある時、ある瞬間に、
ある大きな刺激を入れるのです。
つづく
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