「自分の心に意識を向ける」
そのファーストステップは、
「今、自分が感じていること」に
意識を向けるということです。
「感じていること」とは、
自分の「感情」が生まれる
一歩手前の段階です。
私達は、
①何かを感じる
ことによって
②感情が生まれる
のです。
①がなければ
②はありません。
①も②も両方理解することが
自分を理解する
最も基本となります。
どんな①が来れば、
どんな②になるのか?
・・・自分はそこに
どのようなパターンを
持っているのか?
それが自己理解の
基本だからです。
さて。
①に目を向けるようになると、
私達は実に様々なことを
一日の中で感じ取っていることに
驚くでしょう。
ほんの些細なことで
私達の心は
まるで風を受けた風船のように
揺れに揺れます。
私達の心は
揺れるようにできているのです。
それを
揺れていないふりをしたり、
揺れていることに麻痺したり
するのはまったくの
無意味です。
揺れをそのまま感じ取ること
こそが健康であり、
自分の心を強くする
一歩にもなります。
揺れている自分を
あるがままに見つめる
自分になることで、
直観力も大きく増します。
そのためにも、
①に敏感になれたら次は、
②に目を向けましょう。
つまり自分の感情と
向き合うのです。
ただしその感情とは、
激しいものばかりでは
ありません。
激しい感情は
わかりやすいです。
ものすごく怒りを感じたら、
誰もが自分は腹が立っている
とわかるでしょう。
そういった激しいものだけでなく、
ほんの些細な、
フッと現れては消えていくような
わずかな感情の動きにも
目を向けます。
その際に一つ、
重要なポイントがあります。
それは
『心の声』
です。
私達の感情には必ず
「心の声」が
セットでついてきます。
例えば、
Aさんの一言でムッとした場合、
怒りの感情と共に、
必ず何らかの「心の声」を
私達はつぶやいているはずです。
「なんてひどいことを言うんだ」
とか
「きつ過ぎる」
とか
「それを言わないでくれーーっ!」
とか。
時と場合でまったく異なる
「心の声」が発生するでしょう。
しかもその「心の声」は
さらに次の「心の声」を
呼び起こします。
例えば、
「Aの馬鹿野郎!」
とか
「こいつは大っ嫌いだ!」
とか
「殴ってやりたい!」
とか。
そしてさらに別の
「心の声」も続くかもしれません。
このように、
感情を理解するとは、
同時に、
「心の声」を理解することでも
あるのです。
逆に言えば、
自分の「心の声」に
意識を向けておけば、
自分の感情を理解することに
つながるケースも多いです。
私はよくコーチングの場で
「その時、どのような心の声を
つぶやいていましたか?」
という問いを投げます。
それを続けると、クライアントさんは
私がその問いを投げなくても
自分から「心の声」を
口にするようになります。
それができるということは
それだけ自分を客観的に
観れるようになってきた
ということでもありますし、
自己理解も進みます。
するとさらに私は
次のようなことも
クライアントさんにお勧めします。
それは、意図的に
自分で「心の声」をつぶやき、
「心の声」通りに行動する
ということです。
実はこれはいつも私達が
無意識にやっていることなのですが、
それを意図的に行なうと、
自己コントロール力が
格段に増すのです。
今日もたまたま
それを実践したクライアントさんの
コーチングだったのですが、
その方はそれをやってみて、
「すべての行動はこうやって
自分で決めていたんだということが
本当にわかりました。
私はすぐに人のせいにしたり、
辛いことがあると逃げようと
思っていましたが、
なんだ、すべて自分で決めて
行動していたんだ、という
当たり前のことに気づきました」
・・・という感想を
言われていました。
無意識に行なっていることを
意識化するというのは、
自律性や主体性の一歩にも
なります。
では、・・・
ここまでのお話を
少しまとめます。
『直観力を高めるには』
というテーマで、
ここまで書かせていただいています。
直観力を高めるためには、
人間として普通の生き方をすることが大事。
普通の生き方とは、
まずは自分の心に意識を向けること。
意識を向けるとは、観る(観察する)、ということ。
まずは何を観ればよいかと言うと、
それは
・自分が今、感じていること
・それにより引き起こされる感情と心の声
である。
・・・ということになります。
実はこれは私の言うところの
「セルフコーチング」の基本でもあります。
そしてこの基本を実践するだけでも
直観力はアップし始めます。
しかし、本題は
まだまだこれからです。
ここまでは序章にしか
すぎません。
つづく