こんな簡単に壊れるのか

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まったく
複雑怪奇な
形に
なったもんだ。

なんだよ、
この形は。

複雑すぎて
わけが
わからない。

これじゃ、
何事も
成せんな。

始まりは
もっと
シンプルだった
はずだ。

いつの間に、
あの
単純明快さを
忘れてしまったのか。

いつの間に、
こんなにも
余分なことに
意識を
奪われるように
なったのか。

こんなこと
なら
いっそのこと
すべてを
リセットしたい。

と思うのだが、
それができれば
苦労はしない。

できないから
こその
悩み。

やれることを
一つずつ
やるしかないか。

・・・・・・

ところが、
余分なもの達は、

一つ、
根幹にある
何かが
少し、ほんの少し
欠け落ちたことで、

一気に
崩れ始めた。

ガガガッと
下半身が
崩れ落ち、

下半身によって
支えられていた
上半身は
それはもう、
無惨なもので。

土台が
なくなるというのは、
こんなにも
脆いものなのか、

今更ながらに
ため息だ。

あれだけ
守ろう守ろうと
してきたものが、

容赦なく
一瞬で壊れる。

守る、
という努力。

その
空虚さを
改めて知ったよ。

・・・・・・

で、
結局のところ、
スッキリ
したんだ。

すべて壊れて
しまったら、
もう何も残らない

思っていたが、

そうでは
なかった。

これまでの
経験は
自分の中に
あるし、

いや、

経験などと
いうものは
小っぽけなものさ、

それよりも
経験を通じて
養い続けた
自分自身のこの
感性。

これだけは
ずっと
ここにある。

これだけは
残った。

だが、
きっと私は
この感性すら
失ったとしても、

それでも
同じ道を
行くだろう。

そう決めている
自分を
理解できた、
というのが
最も大きなこと
かな。

あっそうか、
だからこそ
感性が
残ってくれたのか。

・・・・・・

もはや、
複雑怪奇には
行くまい。
決して。

もう、
面倒臭いのだ。

シンプルに
行こう。

守るものは
最低限でいい。

身軽に
シンプルに。

壊すべきは、
毎日
壊すくらいで。

つづく

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