まっすぐ

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氷がゆっくり

溶けていくように、

 

自分自身を

ゆっくり

溶かしていく。

 

一滴一滴

余分なものが

落ちていく。

 

だんだんと

塊が

なくなっていく。

 

あのたった

一滴に

いったいどれだけ

こだわったことか。

 

あの

落ちていく一滴を

いったいどれだけ

これこそが私である

思い込んだことか。

 

でもあれは

私ではなかった。

 

むしろ

私にとっては

不必要な

一つのクセでしか

なかった。

 

人は、

 

自分自身の

思考と行動のクセ

を見て、

それを「自分である」

決めつける。

 

ただの

クセなのに。

 

それがなくなることは

自分がなくなることだ

思い込み、

その喪失を極度に

恐れる。

 

ただの

クセなのに。

 

クセを直し

まっすぐな自分に

なることこそ

 

本当の自分に

戻る

 

ということ

なのにね。

 

実を言うと、

この氷塊のような

ものは

一気にすべて

壊したいものだ。

 

でもそれは

さすがに

人間として耐えられる

恐怖の度を

超えすぎる。

 

人の心というのは

耐えられる限界が

ある。

 

だから

耐えられる限界

スレスレの

最大スピードで

 

少しずつ

自分を

溶かしていく。

 

本来の自分に

戻るために。

 

本来の生き方に

戻るために。

 

氷塊がすべて

溶けてしまう

ということは、

 

自分が

無になる

ということではない。

 

そこからが

本当に

生の誕生なんだ。

 

つづく

 

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