あまりに
静謐な
その場所に、
見渡す
限り
何もない
その場所に、
ずっと
佇んで
生きてきた。
何もない
のに
あるかのような
錯覚と
共に。
小さく微かに
聴こえる
トツ〜ンという
音。
しかしそれは
私の細胞の
すべてに
響き渡る。
私は
ここに
いる。
ずっと。
私は
ここに
存在
している。
遥か
彼方から、
遥か
彼方に
向けて。
微かな
響きによる
メッセージは、
今こそ
と
告げている。
だが、
力は入れない。
入らない。
これまでも
そうしてきた
ように、
これからも
同じく
そうする。
何も
変わらない。
のだが、
すべてが
変わる。
根っこから。
ここには
何も
ない。
が、
ここには
すべてが
ある。
ない
はずの
ある。
ある
はずの
ない。
その
融合により、
私は
私たり得る
のだ。
最も遠くに
届くと
いい。
祈りにも
似た
意志。
世界を
ぐらつかせれば
いい。
もう
それで
いいんだ。
躊躇は
外す。
守らなくて
いい。
予定
通りだ。
このまま
行くことに
する。
つづく