人の成長も、組織の成長も、
比例直線的ではなく、
階段状に上がっていきまます。
階段の段差を登るということは、
これまでの自分(もしくは組織)とは
まったく異なるステージに上がる
ということです。
これまで見えていなかったものが
見えるようになり、
これまでできなかったことが
できるようになります。
これまで、考えもしなかったことを
考えるようになり、
これまで、実行に移さなかったことを
どんどん実行するようになります。
これを私は
『脱皮』
と呼んでいます。
人に『脱皮』があるように
組織にも『脱皮』があります。
段差を越える時、
つまり、脱皮の時は、
平常時とは真逆な原理原則が
必要となります。
その一つが、
「自分にどんどん不安定を与える」
ということです。
脱皮の時は、
平常時では考えられないくらいに
不安定になります。
個人の場合は、
心が非常に不安定になり、
不安や恐怖や絶望や、
・・・様々な濃い反応本音達が自分を
襲います。
これまで順調に成長してきた人も
そんな自分を体感することで、
自分は以前の自分に、・・・いや、
以前よりもさらに弱い自分に
なってしまったのではないか、と
自己不信に陥ります。
組織も同じです。
脱皮の段階にある組織には
ほぼ間違いなく、不調和が
連続して起こります。
これまで体験したことのないような
望まない現実が次々に
起こります。
もうこの組織はダメではないか、と
絶望感が湧いてきます。
そんな時に私はいつも
強調します。
「今は、思いっきり不安定でいてください。
絶望したままでいてください」
と。
「その不安定さに対策を打たないでください。
絶望のままでいてください」
と。
そのままでいると、
その不安定さと絶望感は
どんどん増殖します。
不安定と絶望感に
自分が飲み込まれそうになります。
でも、飲み込まれれば良いのです。
抗わずに、そのままでいるのです。
すると、
その不安定さと絶望感を完全に
「味わい尽くす」ことで、
これまでの自分からは想像もできないような
自分が(組織が)
何かをベリっと破いて、
現れるのです。
それは突然、
訪れます。
脱皮が成された瞬間です。
私は、
コーチの役割とは、
こういった脱皮を貫徹するために
見守り続けることだと思っています。
脱皮の最中、
コーチは何も手を出しません。
脱皮とは、
その人本人にしかできないことだからです。
ここで、
他人が干渉するとその瞬間に
脱皮は失敗に終わります。
脱皮が上手くいかないと、
その人(組織)は、
殻の中に閉じこもったままになります。
しかし、
体は大きくなっていますから、
その殻が窮屈でしょうがなく、
これまでの自分として生きることそのものに
苦痛を感じ続けます。
つまり、
これまで通りの自分(組織)でいること自体が
苦痛となるのです。
恐らく、
企業がきちんとそういった脱皮を
繰り返せば、
その企業は、永続的に発展し続けるでしょう。
その脱皮を放棄してしまうので、
企業は衰退していきます。
木村さんと弓江さんの
新規事業プロジェクトチームは、
最初の脱皮に取り掛かろうと
していたのです。
その脱皮をきちんと貫徹するために
この二人コーチングの場が
必然的に設定されたということです。
これが、今回の二人コーチングの
真の意味であると
明確にわかったのです。
つづく
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