いつでも行ける

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出口が
観える。

なんと、
後ろの方に。

いつの間にか
通り過ごして
いたようだ。

戻らねば。

しかし、
流れは
前に前にと
途絶えない。

どうすれば
戻れる?

どうすれば
あの出口
から
ここを
脱け出せる?

・・・・・・

丘の上に
立っている。

山並みが
続いている。

ここから
街は
見えない。

だが、
わかっている。

あの山の
向こうだ。

私が目指す
世界は。

ようやく
ここまで
来たのだ。

諦めるわけ
には
いかない。

・・・・・・

いつの間にか
天空高く
飛ぶ
鳥になっていた。

私は
翼を大きく
広げ、

ただ風に
身を委ねて
いた。

ひょっとして
出口を
脱けることが
できたのか?

とも
思ったが、

いや
そんなことは
ない。

騙されないぞ、

思い直した。

今、ここで
自由の感覚で
いるが、

きっとこれは
虚構だ。

騙され
ないぞ。

・・・・・・

垂直に
落下する。

今度は
何ものに
なったのだ、
私は?

垂直に
落下する。

自由落下。

地面が
ぐんぐん
近づく。

私の生命も
ここまでか。

目を瞑る。

いや、
瞑れない。

あの地面に
激突する
直前の直前
まで、

私は
地面を
見続けることに
なるのか。

・・・・・・

大丈夫ですよ、

目の前の
クライアントさん
が言う。

きっと
大丈夫ですよ。

私達
なら。

どことなく
不安げながらも、
その一言に
救われた。

行きましょう、
このまま。

予定通りに。

あぁそうか、
この人も
また
目覚めたのだな、

その瞬間に
わかった。

なら、
もう私も
行けるな。

そう思った
瞬間に、

OK
が出た。

私が
私自身に
出したのだ。

・・・・・・

すると、
目の前に
出口が
あった。

そうか。

行き過ぎて
しまったと
思った
あの出口もまた

虚構
だったか。

そうか。

本当は
出口とは
常に
私と共に
あったのだ。

私達は
いつも
出口と共に
進んでいるのだ。

飛んで
いるのだ。

それが
わかれば、

いや、

それを
受け入れれば、

行ける。

私達は。

いつでも。

つづく

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