豪雪の中、

立っている私が

いた。

 

雪はどんどん降り積もり、

私の全身は雪の中に

埋もれようと

していた。

 

抗うことを

まったくせず、

私は、自分が

閉ざされていくままに

していた。

 

このままいったら

私は死んでしまう

のではないか。

 

やり残したこと

いっぱいあるなぁ。

 

そう思いながらも

だんだんと

意識が遠のいて

いく。

 

うわぁ、

これじゃホントに

死んでしまうよ。・・・

 

・・・ハッと気がつくと

私は布団の中。

 

どうやら

夢だったようだ。

 

いや、

どう考えても

今のは夢ではない。

 

夢であるもんか。

 

たった今、

本当に経験したような

生々しさが

ある。

 

私は、私の人生の終わりを

本当に経験

したのではないか?

 

そう心の中で

つぶやくと、

まるでそのつぶやきに

返事をするかのように、

 

そうだよ、

本当に経験したんだよ、

 

と、また

私自身の心が

つぶやいた。

 

いったい、私とは

何なのだろうか?

 

私のこの人生とは

何のための

ものだろうか?

 

そんな問いが

浮かびながらも、

また私は

ウトウトし始めた。

 

ふと気がつくと、

私は暗闇の中。

 

何も見えない。

 

しかし、

私の周りに

複数の人達の気配が。

 

誰だ?

 

と思って周りに

意識を向けると、

姿は見えないけれども

どうやら

私の仲間のようだ。

 

なんだ、君らか・・・。

 

それは、

いつも当たり前のように

一緒にいる

私のファミリーのような

仲間達。

 

私は彼らと共に、

暗闇の中で

何か一点を見つめていた。

 

見つめる先に

目をやると、

そこには私自身の

姿があった。

 

横たわっている

私自身の姿。

 

その私にはすでに

意識はないようだ。

 

今、

心臓が止まろうと

しているのが

わかった。

 

あぁこれは、

私の人生が終わる

瞬間だと

直観した。

 

心臓の鼓動が

どんどん弱まって

いく。

 

もうほとんど

止まっている

と言ってもいい。

 

時々、思い出したかの

ように、

ドクン、と波打つだけ。

 

あぁもう本当に

私は死ぬんだな、

と、

私を見ている私は

つぶやいた。

 

すると、

暗闇の中の

仲間の一人が

私に訊いた。

 

どうでした?

いい人生でした?

 

私はニッコリと

笑った。

 

うん。

 

とっても

いい人生だったよ。

 

だって、

やり残したことが

一つもない。

 

さっきはさ、

やり残したこと

たくさんあるな、って

思ったけど、

違ったよ。

 

私がすべきこと

私が本当にやりたいことは

すべて完了した。

 

今わかったよ。

 

完了感が

ハンパない。

 

なんかさ。

 

これ以上の人生は

ないんじゃないかな、

と思えるくらいの

満足感だよ。

 

こういう人生も

あるんだな。

 

いやぁ、

いい人生だったよ。

 

すると、

暗闇の中の別の

仲間が

 

あっ、

もう完全に

止まりそうですよ、

 

・・・と。

 

私が見降ろすと、

横たわっている私の

心臓は

確かに最後の

一鼓動を

打とうとしていた。

 

あと一回、

心臓がドクンと

動いたら、

それで

終わりだ。

 

それで

この人生は

終わりだ。

 

あぁ、

本当に良かった。

 

いい人生

だったなぁ。

 

私は

私の人生のビジョンを

ちゃんと達成

できたなぁ。

 

まさか本当に

達成できるとはなぁ。

 

・・・と、

つぶやいた瞬間に

ハッと

私の意識は

もどった。

 

私は布団の中に

いた。

 

なんだ、

また夢か。

 

いやいやいや、

今のが夢で

あるもんか。

 

どう考えても

今まさに

経験したことだ。

 

今のはいつの

経験だ?

 

と問うた瞬間に

答えが浮かんで

きた。

 

あぁそうか。

 

30年後だ。

 

私は今、

ちょうど30年後の

自分を経験

したんだ。

 

ということはやっぱり

夢ではなく、

今のは実在だな。

 

そう言えば私は

自分のビジョンが達成

できたと、

つぶやいていたな。

 

30年後のビジョン、

とは何だろう?

 

・・・と問うた瞬間に

その答えが

浮かんだ。

 

あぁそうか。

 

これが私の

ビジョンか。

 

そうだったのか。

 

私はこのビジョンを

実現するために

生まれてきたんだ。

 

これが私の

人生の

目的か。

 

そう思った瞬間に、

これまでの私の人生の

道のりのすべてが

腑に落ちた。

 

なるほど、

私のこれまでの人生は

すべて

このビジョン実現の

ためのものだったんだ。

 

これからの人生の

すべても

きっとそうだ。

 

な〜んだ、

そうだったのか。

 

私は、

これまで

味わったことがないくらいの

スッキリ感を

味わった。

 

・・・・・・

 

これが、

私が

自分自身の人生のビジョン

を初めて認識できた

瞬間です。

 

私はそれを

「30年ビジョン」

と名づけました。

 

それから2年が

経ちました。

 

私は今、ようやく

30年ビジョンに向かって

本格始動

できそうです。

 

まぁ、

2年経ったので

あと28年ですが。

 

あと約半月後の

5月1日に

私は一つの法人を

立ち上げます。

 

ダイレクトに

ビジョンに向かうための

会社です。

 

名前はもう

そのまんま。

 

『株式会社真本音』

 

です。

 

つづく