嵐は去る

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昔、大学2年の時、
冬山で
大嵐の中で
閉じ込まれてしまった
ことがある。

まるで台風の
よう。

数人のチームの
登山だったが、
我々はテントを張り、
その中でじっと
嵐が止むのを待った。

が、
その気配がずっと
ない。

約2日、
閉じ込められた。

3日目も、
やはり凄い状態。

我々は
テントを畳んで
逃げることを考えた。

しかしテントから
出た瞬間に
テントが飛ばされた。

必死になって
テントに食らいつき、
なんとかテントを
地上に降ろした。

「これはダメだ」

もう一度、我々は
テントの中に
入ろうとした。

周りは暗いガスに
覆われている。

と、
次の瞬間だった。

今でもあの展開は
信じられないなと
思うのだが、

急にピタリと
風が止んだのだ。

本当に、急に
ピタリと。

そして、
暗く覆われていた
ガスも
一瞬で晴れた。

宇宙を思わす
青空と、
銀色に輝く
3000m級の冬山達。

我々は
「おっしゃ〜〜!」
と大声を張り上げた。

我々は
夢中になって
出発の準備をし、
予定通り
山頂を目指した。

そこからの時間は
まるで
夢のようだった。

・・・

あの感覚。

これが今も
私の胸に大きく
残っており、

だから私は
自分の内面において
嵐に見舞われても、

嵐から逃げずに
必死に嵐を
感じ続けながら、

待つことが
できた。

嵐は必ず
過ぎ去る。

これが
自然の摂理だ。

嵐は必ず
過ぎ去る。

強烈な嵐で
あればあるほど、

それをしっかり
感じ続けよう。

逃げるのでは
なく。

それにより
ある瞬間に
一気に次のステージに

我々は
ジャンプアップ
できる。

嵐の後の青空は、
これまでに
見たことのない
青空だ。

つづく

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