ポツンと
光っていたものが
消えた。
私にとっての
大切な
想いが。
あぁ
消えてしまったな、
と
寂しくは思う。
一旦はね。
これまでは
その想いこそが
私自身である
くらいには
思っていたよ。
その想いの
ために
頑張ってきた。
生きることをね。
しかし今、
こうして
消えてしまうと、
それは
どうでもよかったんだな、
最初から、
と
わかるよ。
わかって
しまうよ。
じゃあ、これまでの
その想いで生きた
自分自身は
無駄だったのか?
と言えば、
もちろんそうでは
ない。
その想いを
大切にし尽くした
からこそ、
ここまで
来れたのは
よくわかる。
この境界まで
来れたのは、
その想いの
おかげだ。
でも、
境界を越えた
瞬間に、
想いは消えた。
ステージが
変わったんだ、
と言えば
その通りだ。
でも私という人間の
人格が変わって
しまったのか?
と言うと、
それはまったく逆かな。
これまでは
その想いが
私らしさだった。
しかしここからは、
その想いにこだわる
ことによって、
私は私から
遠のいてしまう。
より
私らしく生きるには、
その想いはもう
いらない、
というよりも
あってはならない
ものなのだろう。
実際、
それが消えてから
私は妙に
開放された
スッキリした気分だ。
また一歩
自由になれた。
これが人間
なんだな、
と。
人は
想いによって
生きている。
しかし
自分の想いに
固執するのは
自分を閉ざす
ことにもなるんだな。
今の想い
を
大切にしよう。
過去の想い
ではなくね。
つづく