閉じてしまったんだね

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その人は
突然、
口をつぐんだ。

そして
二度と
喋らなかった。

私は
諦めて
去った。

人の決断
だ。

私がどうこう
左右できる
ことではない。

それは
わかっては
いるが、

それでも
自分が
もどかしかった。

もっと
できることは
あったのでは
ないか?

でもきっと
タイムマシンで
過去の時間に
戻れたとしても、

きっと私は
その人に
同様の接し方を
し、

同様の結果を
出しただろう。

私にできる
最善を
尽くした。

それでも
その人は
閉じてしまった。

もう
きっと
見守ることすら
できない。

去ったのは
私だが、

本当は
その人が
去っていった
のだ。

茫然と
佇むだけの
私。

人の人生は
それぞれだ。

決断も
それぞれだ。

この悲しみを
胸に
湛えながらも、

私はまた
私のすべきことを
粛々と
続けていくの
かな。

明日からも。

つづく

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