存在するだけ

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いったい
この先に
何があると
言うんだ?

魂の
叫びであり、
問いだ。

何のために
こんなに
がんばっていると
思ってるんだ?

なぜこんなにも
現実は
変わらないのだ?

失望と絶望と
空虚感。

わかるわかる。

真剣だからこそ
そうなってしまう。

下を俯く
彼。

足元だけを
見つめている。

励ましの
言葉でも
かけてあげたいが、

今は
ダメだ。

彼が
望んでいない。

跪く。

倒れそうに
なる。

しかし寸前で
グッと堪える。

また
ゆっくりと
膝を立て、

立ち上がる。

それでも
やるしか
ないんですね。


薄く笑う。

疲れ果てた
顔。

ほんの僅かでも
私がエネルギーを
与えられたらな、
と思う。

が、
今は無理なんだ。

ダメなんだ。

やるしか
ない。

できることから。

膝がガクガク
しながらも
彼は
また進み始める。

私は
彼の横に
つく。

同じペースで
進む。

言葉はない。

ただ
存在があるだけ。

どうせ
存在することしか
できないなら、

より自然な
私として
ここに
いることにしよう。

つづく

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