チーム

チームにも魂が宿ります

 

私は年間契約で

継続的に企業様に

サポートに入るケースが

多いのですが、

 

毎月、その企業様に

通い続け、

皆様の真本音度合いが

高まる中で、

 

ある時ある瞬間に、

 

その会社独自の

「真本音の願い」

が誕生するのを

必ず

感じ取ります。

 

この瞬間。

 

これは

言葉では言い表せない

くらいの

嬉しさに

私は満たされます。

 

その会社の

真本音の願い。

 

これは、

個人個人の

真本音の願いとは

また少し

違った次元のものです。

 

例えば

100人の社員さんが

いたとして、

その100人の願いが

すべて集積・集約されて

その会社の願いが

醸成される

わけではないのです。

 

それは、

 

ポンっと

 

まったく新しい

命として

生まれるもの

なのです。

 

・・・・・・

 

よく、

自分の人生の願いと

会社の願いの

共通部分を

見つけ出したり、

増やしたりしながら

働くことが大切です、

 

と言われます。

 

確かに

その通り。

 

その通りなのですが、

私はここで

いつもちょっとだけ

違和感を覚えます。

 

共通部分を

見出すということは、

逆に言えば、

ズレた部分もある、

ということです。

 

もちろん、

自分=会社で

ない限り、

ズレた部分はあります。

 

それは当然ですが、

でもやはり、

私は

違和感を覚えます。

 

自分=会社に

なりなさい、

というお話では

ありません。

 

自分は自分。

 

会社は会社。

 

それは

その通り。

 

でも、

ちょっと違うのです。

 

・・・・・・

 

その会社に

真本音の願いが

生まれると

大きく変わることが

一つあります。

 

それは、

私自身が、

「その会社の真本音」

と語り合えるように

なるのです。

まるで個人の真本音と

語り合うように。

 

会社は

法人と言いますね。

 

それは一人の

人として見立てた

言い回しなのですが、

 

まさしく

会社の真本音の願いが

生まれるということは、

一人の人間が

誕生するのと

同じようなものです。

実在レベルでは。

 

で、私は、

実在レベルで、

その会社の真本音と

語り合いながら

サポートを進めます。

 

多くの場合、

そこからサポートの展開が

大きく変わります。

 

現実の展開が

大きく変わるのです。

 

私から観れば、

そこにいる社員さん達と

その会社は、

 

「一つ」

 

だと、どうしても

思えてしまうように

なるのです。

 

先程も書きました通り、

個人と会社は

別物ですし、

皆さんはもちろん

そう思っています。

 

そこは何も

変わらないのですが、

でも、

どうしても、

皆さんが

 

「一つ」

 

に観えてしまうのです。

 

もちろん

「一つ」だからと言って、

皆さんが

会社人間になってしまう

わけではありません。

 

考え方が

統一されるわけでも

ありません。

 

愛社精神が

一気に高まるわけでも

ありません。

 

仕事に対する

考え方も

変わらないでしょう。

 

それでも

「一つ」

なんです。

 

そして、

「一つ」である皆さんに

私が向かい合うと、

 

今、

誰にどんなサポートを

すれば良いか?

 

という次の一手の

ヒントが

とても掴みやすく

なるのです。

 

その会社が

大きく変わり始めるのは

そこからです。

 

・・・・・・

 

会社も組織もチームも

本来は

「生き物」です。

 

しかし、最初は

魂がそこには

存在していません。

 

ですからそれまでは

単なる

「個人の集合体」

です。

 

でも、

ある時から魂が宿ることで、

それは

「生き物」として

誕生します。

 

そうなることで、

そこにいる人達は

「一つ」

となっていくのでしょう。

 

そして

「一つ」になることで、

ますます

一人一人の個性は

際立ち、

異なる個性同士が

相乗効果を発揮

し始めるのでしょう。

 

この状態に

なるところまでが

まずは私の

サポートの第1幕。

 

そして、

第2幕からが

本当の意味での

躍進ステージに

入っていくのです。

 

つづく

 

誰の中にも偉大なるリーダーがいる

 

自分が揺れることを

止めようとする人は

揺れ続けます。

 

自分は人間なのだから、

揺れるのは

当たり前じゃん。

 

そんな大らかな目で

自分自身を許せる人は

揺れることは

ありません。

 

揺れるのは

反応本音。

 

その反応本音を

あるがままに

受け入れれば、

自然に

真本音が発動

するからです。

 

真本音の大地に

立った自分は

すべての現実を

楽しめます。

 

一生懸命

楽しもうとする

のではありません。

 

普通に

自然に

楽しめます。

 

大揺れに

揺れている

あらゆる心もそのまま

楽しめます。

 

そして、

それらのあらゆる

反応本音達を

真本音は

活用します。

 

それはまるで、

皆から大尊敬されている

経営者が

社員さん達を一つに

まとめ上げ、

共に素晴らしい会社と

素晴らしい現実を

創り上げていくことと

同じです。

 

「私」という心は

チームです。

 

チームには

素晴らしいリーダーが

必要です。

 

真本音とは

「私」というチームの

リーダーたるべき

存在なのです。

 

・・・・・・

 

そのリーダーは

誰の心の中にも

存在します。

 

しかし

そのリーダーに

フタをしたままに

生き続けている人が

多いです。

 

なんという

もったいないこと。

 

「私」というチームが

一つの方向に

統合、融合していける

偉大なるリーダーが

ちゃんと

存在しているのに。

 

そして

そのリーダーに

(ある意味)委ねて

進むことで、

「私」が本当に望む

人生の幸せに

たどり着くことが

できるのに。

 

・・・・・・

 

真本音という

リーダーを

自らの中から

発掘しましょう。

 

それは、

誰もが簡単に

できることです。

 

地道なやり方ですが、

簡単です。

 

それを

できるだけ多くの人達に

発信していきたいと

思っています。

 

そのための

活動を

今月から広げます。

 

つづく

 

たった一人が変わることで、100人が変わることもある

弓江さんに引き続き、木村さんも

無事に脱皮をしました。

(→前回記事)

 

古い皮を脱ぎ捨てた二人は、

今、極めて「普通」の状態で

私の目の前にいます。

 

私はようやく、今回の二人コーチングの

準備が整ったな、と思えました。

 

ここからがようやく「本題」です。

 

今回の二人コーチングの目的は、

半分の人数で再スタートしようとしている

新規事業プロジェクトチームの

組織活性化戦略を見出すことです。

 

今、二人は脱皮しましたが、

これからはこのチームも

脱皮をするはずです。

 

むしろ、脱皮をしなければ先に進めない

とも言えます。

 

木村さんは、

チームの脱皮を果たすためにも

私(たけうち)に、もう一歩深く

チームと関わってほしいと要望されました。

 

では私は実際に

どのような形で何をすればよいか?

を見出そうとしています。

 

「弓江さん、

チームの脱皮のためには、

まずは木村さんと弓江さんの脱皮が必要、

ということでしたが、

今、お二人は無事に脱皮ができました。

次に必要なことは何だと思いますか?」

 

「・・・それがよくわかりません。

今、ご質問を受けて思ったのですが、

私はチームの脱皮というものがどういうことかを

まだイメージできてないのです。

チームの脱皮というのは通常、

どのように成されるのですか?」

 

「チームとは人の集まりです。

ですから、人が脱皮することでチームが

脱皮します。

しかし、チーム員全員が脱皮しなければならない

ということではありません。

どのチームにも必ず、“要”(かなめ)となる人が

います。

“要”とは、影響力の大きな人のことを

言います。

つまり、その人が変わることで、チーム全体が

変わるくらいの影響力を持った人のことです。」

 

「それは、リーダーということですか?」

 

「もちろん、リーダーという可能性もありますが、

この“要”というのは、現実現象レベルというよりも

実在レベルの話です。

ですから、現実の立場云々には捕らわれない

話です。

例えば、100人の組織でも、

リーダー以外のたった一人が大きく変わることで

組織全体が劇的に変わる誘発剤になる、ということも

充分にあり得るのです。

そういった影響力を持つ人が誰か?

を見極めて、その人の大きな変化、つまりは脱皮を

促します。」

 

「その“要”というのは、

私達のチームの場合、木村と私(弓江)以外の

メンバーの中にもいる可能性がある

ということですね?」

 

「そうです。

ここにいるお二人以外にも“要”となる人が

いると思います。

その人を見つけることは重要です。」

 

ここで木村さんが口を開きました。

 

「私達のチームは、人数が半分になり、

今は我々二人を入れても6名となりました。

こんな少人数でも、“要”と言われる人が

いるのでしょうか?」

 

「はい、います、きっと。

もちろん人数が少ないので、全員が“要”である、

という見方もできます。

しかし実際にそうであったとしても、

それでも、“要の中の要”という人はいるはずです。

まずはその人に強烈な刺激を入れることで

チームの脱皮は非常に楽になります。」

 

「チームが脱皮すると

どうなるのでしょうか?」

 

「個人の脱皮と基本的には同じです。

個人の脱皮は、余分な皮を脱ぎ捨てることで、

これまでの考え方・価値観に変化が起きます。

何を大切にすればよいか?という

考え方の優先順位が変わったりします。

しかもそれは、非常にスッキリと

よりシンプルなものになります。

それにより、その人の行動パターンが変わります。

その人の発揮する能力も変わります。

そして、必然的に成果の出方も大きく変わります。

それと同じことが、

チームとして起こる、ということですね。」

 

「まさしくそれは私の望んでいることです。

私は今ここで、もっともっとチームの

考え方も行動パターンもシンプルなものに

したいのです。

もっと一貫性を持ちたいのです。」

 

「そうなるための最も楽な道を

見出しましょう。

そのためには、“要”社員を特定することです。」

 

弓江さんが言われます。

 

「ということは、次に必要なのは、

私達の次に脱皮すべき、

チームの“要”が誰か?を

見つけることですね。」

 

「ということになりますね。

では、そのためには

どうすればよいと思いますか?」

 

「私は、たけうちさんに

チーム員のことをもっとよく知っていただいた方が

よいと思います。

誰が“要”となり、誰が脱皮すればよいかを

木村と私(弓江)だけでは特定することは

現時点では難しいと思います。」

 

「わかりました。

では、そうしましょう。

つまりは、チーム員の現状把握ということですね。

そのためには、私が実際にチーム員の皆さんに

お会いした方がよいですが、

その前に、お二人から見たチーム員お一人お一人

の印象をお聴きしたいのです。

恐らくそれだけで、誰が“要”か?の

おおよその見当はつけられますので。」

 

つづく

 

今のあなたに、大地はありますか?

あなたの心の中には

「大地」が存在していますか?

 

一度、心の中をしっかりと

確認してみてください。

 

その「大地」は

どれくらいの広がりをもっていますか?

 

無限ですか?

それとも、有限ですか?

 

その「大地」には

何が存在していますか?

 

その「大地」は

生命力に溢れていますか?

 

もし「大地」そのものがない場合、

今は、どのような場所に

あなたはいますか?

 

どのような不安定さを

感じていますか?

 

真本音で生きている人は

無限の「大地」を感じるはずです。

 

人によっては

「大地」よりもさらに安定した何かの存在を

感じるかもしれません。

 

もし「大地」の安定感を得られないのであれば、

現時点で言えば、

あなたの真本音の度合いは

それほど高くはありません。

 

その状態のまま先に進もうとすれば、

不安定さから生まれる恐怖感によって

物事の判断をしてしまうでしょう。

 

恐怖感による判断は、

不調和を生みます。

 

後悔を生みやすいです。

 

まずは「大地」を得ることが

大切です。

・・・いえ、正確に言えば、

すべての人にすでに「大地」は存在していますから、

その「大地」を見つけることが

肝要です。

 

そして。

 

人と同じく、組織やチームにも

「大地」が必要です。

 

「大地」が存在しているチームであるかどうか?

によって、

そのチームの生み出す成果は

雲泥の差となります。

 

面白いことに、

例えば、3人のチームがあったとして、

その時点では確固たる「大地」が

存在していたのにも関わらず、

そこに、新たなメンバーが一人加わるだけで、

その「大地」が一瞬で失われる。

・・・そんなことも日常茶飯事です。

 

つまりチーム(組織)とは

人数が揃っていれば良い、というものでは

決してありません。

 

「大地」を持ったチームであるのか否か?

「大地」を持つためには、

誰をチームに入れて、

誰を入れてはならないか?

ということが重要なのです。

 

そういった意味から言えば、

木村さんの新規事業プロジェクトチームは

人数を半分に減らされたことにより、

「大地」を手に入れることができたのです。

 

木村さんは直観的に言われました。

 

「新規事業プロジェクトは、

メンバーが半分になったことにより、

私は生産性が何倍にも上がると確信しています。

そして、少なくとも当初の目標の

1.5倍以上の売上・利益は達成できるはずです。」

(→前回記事)

 

この木村さんの直観を、

私は何の淀みもなく

受け取ることができました。

 

そういう時は、

本当にその通りになります。

 

新規事業プロジェクトチームは、

ここにきてようやく、

「本来のカタチ」になったのです。

 

そしてその「本来のカタチ」に見合った

ペア編成を、

木村さんと弓江さんはあらかじめ1ヶ月前に確定し

実行に移していた、ということになります。

 

こういったことは

すべて後でわかることです。

 

あぁなるほど、そういうことだったのか、と。

後で、わかります。

 

現在進行形のその場では、

決してわかりません。

 

その場でわかったとしたら、

それは単なる「解釈」です。

 

私達にできることは、

自分自身の真本音度合いを高めることで

自分の中に「大地」を見出し、

その「大地」を感じながら進むこと。

 

今この瞬間を

進むこと。

 

それのみです。

 

つづく

 

チームの理念は、できあがってから言語化する

「たけうちさん、

私はどうやら間違っていたようです。」

 

木村さんは、そう言われました。

(→前回記事)

そう言いながらも、その彼のあまりの清々しい表情に

一瞬私は惹き込まれました。

 

彼は続けました。

 

「弓江はいつも、このチームの真本音の視点から

意見を言い続けてくれていたんです。

それがようやく今、わかりました。」

 

チームの真本音

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

 

弓江さんは常に、この視点を持ち続けた

唯一のチーム員であると、

木村さんは言われたのです。

 

これには弓江さんも納得されました。

 

「そうです。

言われてみれば、私はいつも

それを大切にしていました。

このチームの真本音と別の行動を見る度に

苛立っている自分がいました。

特に、木村リーダーが外れた行動をとると

イライラが止まりませんでした。」

 

このチームの真本音は木村さんが

表現した言葉です。

しかしそれは木村さんの「解釈」の言葉

ではありません。

 

つまり、木村さんの言葉でありながら、

木村さん一人の言葉ではありません。

 

こういったことが、真本音度合いが高まりますと

当たり前のように起こります。

 

チームの真本音というのは、

そのチーム員全員が自然に生み出します。

それは最初は言葉にはなりません。

しかしチームが真本音度合いを高めながら

一つになっていくと、自然にそれが

言語化されるようになります。

 

それこそが、そのチームにとっての

本当の「理念」です。

 

木村さんのチームには、その理念が

言葉ではなく、すでに「何となく」できあがっていました。

それはそれだけチームが一体化した証拠です。

 

その「何となく」できあがっていた理念を

木村さんは、あるがままにキャッチし

言語化したのです。

それが

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

ということでした。

 

ですので、これは木村さん一人のものでは

ありません。

「みんなのもの」を木村さんがキャッチしただけ

ですので、弓江さんが共感するのは当然なのです。

 

今回は、木村さんのチームを例にして

お話しさせていただいていますが、

私は常に、このような理念の創り方を

大切にしています。

 

チームに理念が醸成される前に無理に

理念を言語化して創るのではなく、

無意識レベルで、チームに真本音の理念が

醸成されるのを促し、

それができた時点で言語化する、という

ステップです。

 

それをすれば、本物の理念になります。

皆の魂が入ります。

 

そして、やはり私は

チーム(組織)の理念は、言語化することを

お勧めします。

 

なぜなら、

言語化することで、簡単に意識を向けることが

できるからです。

そして言語化することで、

それが、本当に真本音によるものならば、

私達の心は非常にスッキリします。

これまでの迷いやモヤモヤが

払拭されるからです。

 

この時の木村さんが

まさしくそうでした。

 

チームの理念を言語化することで、

彼は、自分の中の淀みに気づいたのです。

 

そして、チーム員の中で、

最も理念に対して淀みない心で向き合っていのが

弓江さんであるということに気づいたのです。

 

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

 

「私はこれと真逆のことをしていたかも

知れません。」

 

と木村さんは呟きました。

 

つづく

 

素直な想いは、たった一つだけだったりする

決めたことを実行できない。

 

・・・そんなケースは、どこにでもあります。

 

決めたことを実行できない理由は

二つです。

 

一つは、

決めたつもりになっていたが、

本当は決めていなかった、

という理由。

 

つまりは、

真本音で決めたのではなく、

反応本音でのみ決めた、ということです。

反応本音での決断は、

その後、必ず葛藤や迷いが生じます。

 

もう一つは、

真本音では決めることはできたが、

それを阻害する強烈な反応本音パターン(クセ)があり、

そのクセに負けてしまう

という理由。

 

この場合は、そのクセを特定して、

クセを意識することで、乗り越えることができます。

 

今回の木村さんのケースは、

この二つの理由が複合しています。

 

決断そのものも反応本音レベルですし、

その上に、彼の強烈なクセが

表面化していました。

 

逆に言えば、

これを機にしっかりと自分と向き合うことができれば、

木村さん自身に大きな気づきと変化を

生じさせることができるチャンスです。

 

これは私の解釈ではなく、

これこそが木村さん自身の真本音の意図

でした。

 

私は彼のその意図に

委ねました。

 

その結果、彼に投げた問いが、

「木村さんは、

どんな人のコーチングをされたいのですか?」

でした。

(→前回記事)

 

木村さんはしばらく

考え続けました。

 

そして言いました。

 

「私はリーダーを応援したいです。」

 

「リーダー?」

 

「はい。

組織やチームを引っ張っていくリーダーです。

私のような人間です。」

 

「組織を引っ張るということは、

経営者も含まれますか?」

 

「はい。経営者も含め、リーダーという役割を

担っている人のコーチングをしたいです。」

 

「そう思う理由はわかります?」

 

「はい。

やはり、すべてはリーダーで決まると思うのです。

ところが、リーダーが自分の解釈だけで、

自分の度量の範囲でメンバーを引っ張ろうとすると、

チームが小さくまとまってしまいます。

私は今回のプロジェクトチームで、

チームコーチングの手法を使うことで、

メンバー一人一人がとても活き活きとして、

リーダーである私の範疇を超えるチームになっていく、

という経験ができました。

その素晴らしさを伝えたいのです。」

 

以前の記事でも書きましたが、

木村さんが言っていることそのものは

素晴らしいことだと思います。

しかしこれが彼の反応本音レベルの想いである以上、

やはりこちらの胸には響きません。

 

言葉のみが、

上滑りをしている感覚です。

 

「たけうちさん、

ここも、私に寄り添ってください。」

・・・と、木村さんの真本音からのメッセージが

私の心の中に浮かび上がってきました。

 

私はその声に委ねます。

 

「では、そういったコーチングができるようになるために、

今の木村さんにはどんな体験・経験が必要ですか?」

 

「うーん、

やはり、たくさんのリーダーである方々とお会いして

コーチングさせていただくことでしょうか。」

 

「具体的に、この人をコーチングしたい!

という人はいますか?

有名人でも結構です。」

 

「それを言ったら、平井です。」

 

「えっ? 平井さん?」

 

「はい。」

 

「理由はわかります?」

 

「・・・そうですねぇ。

やっぱり私は平井を尊敬してます。

尊敬するリーダーに、私はさらに伸び伸びと

してほしいです。」

 

なんとここで、木村さんの真本音が出ました。

この一言を聴いたとき、

私の体の芯がゾワゾワを痺れました。

真本音からの言葉を聴いた瞬間のいつもの感覚です。

 

「今のそのお気持ち、凄く強いですねぇ。」

 

「そうですね。自分でも言いながら

強い気持ちだな、と思いました。」

 

「では、平井さんのコーチングをしてみては

いかがですか?」

 

「いやいやいや、そんな滅相もない。」

 

「でも、平井さんを応援したいんでしょ?」

 

「いや、そうですけど。

今の私が平井のコーチングなどできませんよ。」

 

「どうして?」

 

「だって、全然レベルが違うじゃないですか。

平井だって、わざわざ私のコーチングなど

受けたいと思わないと思いますよ。」

 

「でも、コーチングするなら平井さんが

いいんでしょ?」

 

「はい。でも、それは理想です。

今の私には無理です。」

 

「そうなんですか。

じゃあどうしたいですか?」

 

「平井以外の人をコーチングします。

で、経験を積んだら、平井をコーチングします。」

 

「じゃあ、平井さん以外で、

この人コーチングしたいなぁ、と思う人はいます?」

 

ここで木村さんは止まりました。

 

しばらくじーっと考えていましたが、ポツリと

呟きました。

 

「・・・いないです。」

 

「いない?」

 

「はい、平井以外にいないです。」

 

私は彼の目を見据えました。

次の一言が、非常に重要だとわかったからです。

 

つづく

 

人の本当の成長は、まずは空気感の変化から

“生まれたばかりの無邪気”

 

この言葉が木村さんから発せられた時、

私の体の芯が痺れるように震えました。

(→前回記事)

 

その人の真本音から出された言葉。

これは、本当に人の心に響きます。

 

私はコーチというお仕事をさせていただいていますので、

このような、ある種の「感動」には敏感です。

しかしそれは敏感なだけであって、

このような心の深いところでの感動は、

誰もが感じることでなのです。

つまり、

木村さんの口からその言葉を聴けば、

私でなくても、誰もがその感動を味わいます。

それを敏感に認識するかどうは別として。

 

仮にまったく認識していなくてもよいのです。

認識していなくとも、その人の心には確かに

「感動」は起こるのです。

そこが大事。

 

そういった「感動」をもたらしてくれる人に対して、

人は、何となく「この人と一緒にいるといいなぁ」とか

何となく「この人と一緒にいたいなぁ」とか

何となく「この人と一緒に仕事をしたいなぁ」

というように感じるのです。

 

こういった無意識レベルにおける「印象」こそが

人間関係においてとても大事です。

もちろん、仕事においてもです。

 

真本音度合いが高まるということは、

その人の口から

真本音からの言葉がたくさん発言される、

ということです。

 

その言葉が、人に響きます。

ですから、真本音度合いの高い状態でチームを組むのと

低い状態でチームを組むのとでは、

同じメンバーだとしてもまったく違った成果を生み出すのです。

 

私は、

世の中全体の真本音度合いが高まればいいなぁと

思います。

同じ人であっても、

真本音度合いが高いか低いかによって

そこで生み出される現実がまったく変わるからです。

 

調和の現実か、

不調和の現実か、

です。

 

不調和を起こすから、その人はダメだ。

不調和を起こすから、その人を辞めさせて

別の誰かに変えなければならない。

・・・ということではないのです。

 

すべては、

真本音度合いが高いか、低いか。

ここでこそ、道が決まってくるのです。

 

“生まれたばかりの無邪気”

 

この言葉の意味は、

木村さん本人にすら、よくわかりません。

しかし、

最初はそれでOKです。

むしろ、

意味をわかったつもりになるよりも、

徐々に、その真の意味を

日常においてつかんでいくことこそが重要です。

 

木村さんがその言葉を大切にしながら

日常に入っていってからすぐに反応がありました。

平井さんが

私に連絡をくださったのです。

 

「たけうちさん、木村が変わりましたよ。」

 

平井さんは本当に嬉しそうに

そうおっしゃいました。

 

「どう変わったのですか?」

 

「明らかに雰囲気が変わりましたよ。

先日、コーチングを終えた直後の木村を見て

私はびっくりしましたよ。

なんか憑き物が落ちたような感じで。」

 

「あっははは、

平井さんが真本音を見つけられた時も

そうだったんですよ。」

 

「えぇ、そうなんですか。」

 

「ご本人には、まったく自覚はないんですけどね。」

 

そうなんです。

まず、真本音度合いが高まると、

その人の雰囲気(空気感)が変わります。

しかしそれは、当の本人はまったく気づいていません。

 

人が本質的成長をしている時は、

あまりに自然な変化のため

本人が最も気づかないものです。

むしろ、

「私はここが変わった!」と

本人が自覚しているときは、自己満足のケースが多いです。

もちろん、そうでない時もありますが。

 

「それから、どうですか?

木村さんの行動ベースで変わったところはありませんか?」

 

「いやぁ、なんかとてもオープンになってね、

私にどんどん話しかけてくるようになったんですよ。

それは、仕事に関する提案もあるのですが、

まったく関係のない雑談もあります。

あんなヤツじゃなかったんですけどねぇ。」

 

「どうですか、

バンドをしている時の彼に近づいている感じはあります?」

 

「あぁ、ありますあります。

確かに、本来の彼に近づいていますよ。」

 

しかしここで満足してはなりません。

ここまでは、非常に良い傾向です。

でも、

本当に「自分を壊す」とは、

ここからが勝負なのです。

 

つづく