自分のことを小さく見る、

という人が時々います。

 

それは一見、謙虚、という姿勢とも言えますが、

私はそういった人を見ると反対に、

すごく傲慢だな、と思う時があります。

 

自分は小さい。

だから、できません。

 

と自分の小ささを理由に、

その人が真本音で望んでいることを

その人自身があきらめる。

 

・・・それは、自分自身の人生と真摯に向き合うことを

放棄してしまっている姿勢です。

 

自分は小さいと勝手に決めつけ、

結果、何もやらない。進まない。

なんと、傲慢な、・・・と思ってしまうのです。

 

もちろん、

自己過信する必要はありません。

 

自己過信する人も、その過信が故に、

本当に自分が真本音でやろうとしていることと

まったく別の方向に進んでしまうケースが

多いです。

 

そういった意味で、

自己過信する人も、自分を小さく見過ぎる人も、

本質は同じです。

 

傲慢であり、怠慢です。

 

ちょっときつい言い方かな、とも思いますが、

そういう人を見ると、本当にもったいないと

思うのです。

 

もっと淡々と、粛々と、

自分の望む道を進めばいいのに、と。

 

そうすれば、

そんなに荒れることもなく、

そんなに障害や妨害に合うこともなく、

自然に幸せな道が開くのに、と。

 

真本音の道。

 

こう書くと、何か特別な道のような

印象になってしまいますが、それは、

最も自然体で進む道、

ということです。

 

自分の胸の中にずっといつまでもあり続ける

その願いに素直に普通に進む道

ということです。

 

誰もがその道を進めば、

すべてが調和します。

 

なぜなら、私達人間の真本音は

深層心理ではすべてがつながっているからです。

 

自分の本当に望む道と、

人の本当に望む道は、

完全に調和するのです。

 

ですから私のコーチングサポートの目的は

実にシンプルです。

 

「いかにその人の真本音度合いを上げるか?」

 

この一点に尽きます。

 

このための、

あらゆる方策を行ないます。

 

逆に言えば、

そこにつながらないあらゆる方策は

一切行ないません。

 

木村さんから見えている世界。

それは、

「自分と一緒に仕事をすると、

弓江はとてもキツくなり、自分に当たってくる。

自分がいることで弓江がそうなるなら、

自分がいなくなった方がよい。

自分のためにも、弓江のためにも、

会社のためにも」

ということでした。

(→前回記事)

 

しかし真本音度合いを高めるという

視点から見れば、まったく別の世界が

見えます。

それは、

「木村さんのことを本当に好きな弓江さんは、

木村さんの真本音度合いを高めるために

彼女なりの行動をし続けた。

しかし木村さんは、それを拒絶し、

真本音度合いを高めるチャンスを

逸しようとしている」

というものです。

 

なぜ拒絶するのか?

 

そこに、木村さんの反応本音のクセが

出てしまっています。

 

木村さんの反応本音のクセで大きかったものは

二つです。

 

一つは、

自信過剰で、イケイケどんどんとなる

クセ。

つまり、自分のことを大きく見過ぎるのです。

 

もう一つは、

何かあるとすぐに自信を失い、消極的になる

クセ。

つまり、自分のことを小さく見過ぎるのです。

 

この2番目のクセが

今回は出ています。

 

ちなみに、この二つのクセは

作用・反作用の関係にあります。

 

つまりこれは、木村さんだけなく、

あらゆる人に起こりうる「セットのようなクセ」です。

 

作用・反作用が起こりやすいのが

反応本音のクセの特徴です。

 

一方が引っ込めば、

もう一方が顔を覗かせます。

 

ということで、私から見た今回の現象は

次のようになります。

 

「せっかく木村さんの真本音度合いを上げようと

弓江さんという人が近づいてきたのに、

そのまっすぐさ、が怖くて、

木村さんは逃げようとしている。」

 

もちろん、本当に逃げようとしているわけでは

ありません。

コーチングの場では、逃げたい、という気持ちを

出しますが、

彼は彼なりに何とかしようとしています。

 

ですので、

私がここでとる方策は、

「木村さんの真本音度合いも、

弓江さんの真本音度合いも、

共に一気に引き上げる」

という、そのための方策です。

 

そうなるためにはまず、

弓江さんに少し変化していただくことが

ベストだと直観しました。

 

弓江さんの変化が、

木村さんの変化を

呼び起こします。

 

その順番です。

 

こういった「順番」を見つけることも

コーチとしては重要な役割の一つです。

 

そこで出てきたメッセージが、

弓江さんへの

「あなたは、コーチに向いています」

という一言だったのです。

 

つづく