「夢を持つといい」

とよく言われます。

 

「夢を持ち、それに向かう人生が

素晴らしい」と。

 

確かにそうかも知れません。

 

しかしその「夢」とは

真本音であることが重要です。

 

反応本音レベルの「夢」であれば、

それを大事にし、

それに向かう努力をすればするほど、

ストレスが発生します。

 

そして、「夢」に生真面目に

向かう人であればあるほど、

そのストレスは密度を増し、

いつの間にか、エンティティが発生します。

 

つまりその場合、

夢を持つことで、その人は

苦しみの人生を歩むことになるのです。

 

ですから私はいつも

申し上げます。

 

「無理な夢は描かない方がいい」と。

 

「夢」というものは、

真本音で「今日を生きる」ことの連続により、

自然に「顕在化」します。

 

「顕在化」と書いたのには

理由があります。

 

「夢」とは、もともと私達の中に

私達の真本音の中に、

確かに存在しているものだからです。

 

存在しているのに、自分で気づいていない。

・・・それが多くの人の状態です。

 

逆に言えば、

存在しているのだから、

それを掘り起こせばいい、

ということになります。

 

そして、掘り起こすためには、

今この瞬間を、

今日というこの一日を

真本音で生きることです。

 

これをする人は、

普通に、当たり前に、自然に

夢がわかります。

夢に向かう人生となります。

 

それは決して

力こぶを入れるような

「がんばり」を必要とするものではなく、

ただただ単純に、純粋に、淡々と

そこに向かっていくだけのことです。

 

ただし、

そんな毎日に入れば、

人の心は、常に満たされた状態となります。

 

本当の夢とは、

それを実現できたかどうかよりも、

それに向かう一歩一歩こそが

幸せだからです。

 

しかしそれが真本音の夢であるならば、

それは必ず実現しますけどね。

 

真本音で今を生きれば、

真本音の夢が見つかり、

真本音の夢が見つかれば、

今を、満ち足りた自分として

自然に生きることができる。

 

要するに、そういうことになります。

 

私は、

それこそが「普通の人生」であると

思います。

 

「普通の人間の姿」であると

思います。

 

その「普通」を

すべての人がすればいいのに、

と思うのです。

 

そんな「普通」を取り戻すことが

私のコーチングの目的の

重要な一つです。

 

さて、

エンティティのお話に戻りますが、

エンティティとは、

そういった「普通」ではない状態の時に

発生します。

 

ほとんどの人から私はエンティティを

受け取るのですが、

ということは、ほとんどの人が

「普通の人生」を生きていない

ということでもありますね。

 

西畑さんという人は、

そういった意味で、

「普通の人生」の真逆を行っている

のかも知れません。

(→前回記事)

 

そして木村さんも、

真本音度合いが下がってしまう時は、

「普通の人生」の真逆を

行ってしまう傾向にあります。

 

しかもその二人の「傾向」が

似通っていたために、

悪い意味での「共感」をしてしまい、

西畑さんのエンティティが

木村さんに乗り移る、ということが

どうやら起きているようです。

 

以前に西畑さんと面談した時、

彼は木村さんのことを

「同志です」

と言いました。

 

しかし、木村さんに張り付いた

西畑さんのエンティティに意識を向けると、

木村さんは、

「お前を引きずり落としてやる。

そう西畑のエンティティは言っています。」

と言われました。

 

西畑さんが嘘を言っているわけでは

ありません。

彼は、顕在意識では本当に

「同志である」

と思っているのです。

 

しかし、彼自身が「普通ではない生き方」を

してしまっているために、

「普通の生き方をしよう」としている木村さん、

・・・つまりは、真本音度合いを高めている木村さんに対して

「羨ましい」というところから、

「引きずり落としてやる」

というエンティティを生んでしまっているのでしょう。

 

実はこのパターン、

非常に多いです。

 

組織においては、

このパターンのエンティティを除去するだけで、

チームの雰囲気が大きく変わる、

ということが、これまでは何度もありました。

 

さぁ、ではまずは、

木村さんを西畑さんのエンティティから

解放させてあげなければなりません。

 

私は木村さんに言いました。

 

「木村さん、

その西畑さんのエンティティを

愛せますか?」

 

つづく