あまりの心の
痛みに、
思わず私は
しかめっ面に
なった。
まるで、
燃えたぎる薪を
胸の中心に
押しつけられている
ようだ。
この痛みは
私の痛みでは
ない。
今、目の前にいる
クライアントさんの
心の痛みだ。
私はただ、
それと同じものを
直に感じ取っている
だけだ。
よくこんな痛みに
耐えながら
この人は来たなぁ、
と
半ば、あきれてしまう。
・・・・・・
ところが、だ。
その凄まじい痛みに
本人が
気づいていないのだ。
なぜ気づかない?
と
いつも不思議に
思う。
しかもその人は、
その痛みがさらに
増す方向の
選択や行動を
しようとする。
そっちは痛いよ。
と、
口で説明しても
わかってもらえない。
残念ながら
麻痺している人には
何を言っても
無駄になってしまう。
私にできることは、
その麻痺を
とるためのサポート。
だから私のサポートを
受けると、
以前よりも苦しくなった
と
言われる人もいる。
しかしそれは
麻痺が取れて
健康状態に向かっている
証だ。
・・・・・・
痛いことは
痛い。
苦しいことは
苦しい。
そう素直に
感じ取れることの
なんと健康的な
ことか。
ちゃんと
痛みを感じながら、
じゃあ
どうすれば自分は
痛まなくて済むの
だろうか?
と
真剣に考えながら
進むことが、
自分を大切にする
ということでは
ないか。
・・・・・・
痛みは
怖がればいい。
でも、
麻痺はさせるな。
それは
何の解決にも
ならないし、
自らを
蝕むだけのことだ。
もっと
健康的に生きてほしい。
もっと
健康的に生きてほしい。
私達は
機械ではなく、
人間なのだから。
つづく