道標

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真一文字に

上昇する

鳥のように

飛んでゆく。

 

目は

たった一点を

見つめている。

そこから

離れない。

 

むやみに

翼は

動かさない。

ただ

大きく広げ、

風に乗っている。

 

あの一点さえ

見つめ続ければ

いい。

 

目を離さなければ

いい。

 

しかしその一点は

すぐに近づく

わけではない。

 

どれだけ

進んでも、

それは同じように

遠い。

 

ずっと

遥かなる一点だ。

 

あそこに

たどり着けるか

どうかは

わからない。

 

むしろ

その実感も気配も

ない。

 

このまま

飛び続けることが

私にとって

正しいのかどうか?

 

それすらも

わからない。

でも

私は飛ぶ。

 

身の程知らず

だろう、

きっと。

 

後先を考えても

いない。

 

無謀か?

 

でも

そう問うと、

とてもそうは

思えない。

 

根拠のない

この確信。

 

あの一点には

私しか

辿り着けないだろう

という

理由のない確信。

 

それに

委ねてしまう

この馬鹿さ加減。

 

それらは

ちゃんと

自覚している。

その上で、

飛んでいる。

 

私の他は

誰もいない。

 

孤独だろうか?

 

これも

違う、と

わかる。

 

私以外

誰もいないのに

孤独ではない。

 

なぜ

飛ぶか?

 

わからない。

 

なぜ

目指すか?

 

わからない。

 

なぜ

やめないか?

 

わからない。

 

ただ、

これが私である、

とは

わかるのだ。

 

つづく

 

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