ちょっと厳しくし過ぎでしょう

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あなたの目の前には

大勢の観客が

います。

 

あなたは

壇上に立って、

彼らに向かって

話をしています。

 

皆、とても熱心に

あなたの話を

聴いています。

 

あなたは

必死に語ります。

 

自分自身の

人生について

語っています。

 

人生において

見つかったこと、

得られたものに

ついて、

全身全霊で

語っています。

 

すべてを

語り終えた時、

たくさんの拍手が

湧き起こりました。

 

その拍手の中で、

あなたは

ホッとしました。

 

・・・・・・

 

すると突然、

舞台の端の方に

スポットライトが

当たりました。

 

そこには

重々しい顔をした

人達が数名、

座っていました。

 

「審査員」という

貼り紙が

見えます。

 

どうやら各分野の

エキスパート達

のようです。

 

人生のエキスパート

です。

 

突然、司会者も

現れ、

 

「審査員の先生方、

今のお話はいかが

でしたか?

彼の人生は

いかがでしたか?」

 

と問いました。

 

すると、

「審査員」と呼ばれた

数名のエキスパート達が

順番に印象を

述べ始めました。

 

褒める部分も

ありますが、

概して、

かなり辛辣な意見や、

 

「もっとこうしなさい」

というアドバイスが

多く出されました。

 

あなたは先ほどの

拍手を忘れ、

だんだんと心が

萎んでいきました。

 

一通りの話が

終わったところで、

司会者が

言いました。

 

「はい、では

審査員の皆さん、

彼の人生の点数は?」

 

すると、

電光掲示板に

大きく数字が

映し出されました。

 

「30て〜〜ん!!」

 

と司会者が

叫びました。

 

「30点です!

残念ながら失格です。

予選落ちですね〜。

でも、次回も是非

挑戦してください。」

 

と司会者は

にこやかに

言いました。

 

観客からは

あたたかい拍手が。

 

しかし

あなたにはそんなものは

もう、

聞こえていませんでした。

 

30点・・・。

 

失意の中で

あなたは

うなだれました。

 

・・・・・・

 

私達の心の中には

常に

「審査員」が

います。

 

そして常に自分に

対して、

ダメ出しをし続けます。

 

もちろん

自分自身を

応援してくれる心も

あります。

 

しかし「審査員」の

意見は絶対で、

あなたは自身の中の

その意見に縛られ、

その結果、

人生を進めるうちに

徐々に

自分自身を萎縮

させていきます。

 

自分を

審査することは

大事。

 

自分を反省したり、

振り返ることも

大事。

 

客観性も

大事。

 

しかしそれらは、

 

「伸び伸びと生きる」

 

という前提のもとでこそ

意味があるのでは

ないでしょうか。

 

「審査員」の

ない時間。

 

「審査員」の

ない空間。

 

「審査員」の

ない人生。

 

「自由になる」

とは、

そういった瞬間が

増えていくことでは

ないでしょうか。

 

そして

大変、面白いことに、

 

私達人間は、

 

そういった

「自由時間」が

増えれば増えるほど、

周りと「調和」し、

 

「審査員」の点数も

格段に

上がっていくのです。

 

つづく

 

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