たった一言によって、人の人生は変わるのかもしれない

LINEで送る
Pocket

コーチングをしていますと、

コーチとしての次の自分の一言が

今後の展開を大きく左右するだろう、という

「分岐点」を

強く実感する瞬間が訪れます。

 

それはかなり明確にわかります。

 

クライアントさん(の真本音)は、その一言を

全身全霊をもって待ち望んでいます。

 

どれだけ心を閉ざしている人であっても、

その時その瞬間は、ほんの一瞬だとしても

コーチである私に、100%のオープンマインド状態と

なります。

たとえ0.1秒だとしても。

 

その「分岐点」をつかめるようになることこそ、

プロのコーチとして必須の力であると

私は思っています。

 

木村さんへのコーチングにおいて、

その瞬間が来ました。

(→前回記事)

 

私は自然に浮かんだ一言を

彼に伝えました。

 

「木村さんは、コーチに向いていますか?」

 

その瞬間に、何の迷いもなく

彼からの返答がありました。

 

「向いていません。」

 

・・・と咄嗟に答えてから、

彼自身が、自分の言葉に驚いていました。

 

そして、しばらく茫然とした後に頭を抱えて、

「・・・向いてないのか、オレは」

と呟きました。

 

私は何も言わずに、

ただ黙って彼を見守ることにしました。

 

彼は心の中でいろいろと

自問自答をしていたようです。

 

実際にどのような自問自答をしていたのかは

私にはわかりません。

ただ、

彼の『実在』の変化ははっきりと

わかりました。

 

彼を覆っていた黒い雲から漏れていた

一点の光が、どんどん大きくなっていました。

 

雲が晴れ始めていたのです。

 

そうなるともう、

容易に「真本音コミュニケーション」ができるように

なります。

 

頃合いを見計らって、

私は彼に問いました。

 

「木村さん、いかがですか?

咄嗟にご自分のことを、コーチに向いていないと

言われましたが、

そう言われた理由はわかりますか?」

 

「いや、私には想いがないからです。

私は、プロのコーチとしてやっていこうという

気持ちがありません。

ずっとその気持ちは真本音だと思って来ましたが、

今、それが反応本音だとはっきりわかりました。」

 

「それでも木村さんは100人コーチングを目指して

2週間はコーチングをされましたね。

その2週間のコーチングでのご自分を振り返ると

今はどう感じますか?」

 

「・・・正直言って、全く心が込められていませんでした。

・・・心というよりも、魂が込められてないというか。

100人コーチングをやらなきゃ、という気持ちばかり。

・・・いえ、それよりも、

必ず100人を短期間でやり遂げて、たけうちさんを

ギャフンと言わせよう。

そんなことばかりを考えていたように思います。」

 

彼は正直です。

こういうところが、私は大好きです。

 

「この2週間で、コーチングをした方々の真本音を

感じ取ることはできましたか?」

 

「いえ、今振り返ると、真本音とか反応本音とか、

そんなことはお構いなしでした。

もちろんコーチングをしている時は、真本音を大事に

とは思っていました。

しかし、私はコーチングをこなすこと、

・・・いや、正確に言えば、

俺は素晴らしいコーチングができるんだ!と喜ぶために

コーチングしてました。

相手のことは眼中になかったです。」

 

「木村さんは正直ですねぇ。

でも、ちょっと自分を責め過ぎですね。

そこまでひどいものではなかったと思いますよ。

その時その瞬間は、懸命に向き合って来たのでしょ?」

 

「はい、自分なりにはやって来たつもりでした。」

 

「でも、それは真本音ではなかったと?」

 

「そうです。

私は私のためだけに、コーチングをして来たような、

そんな印象が今振り返るとあります。」

 

それから少し間を置いて、

木村さんは私に問いました。

 

「たけうちさん、

私は本当にコーチに向いていないのですか?」

 

私は即座に、はっきりと答えました。

 

「はい、向いていません。」

 

つづく

 

実力を発揮できる人できない人その違いとは?

21年間73業種200社6万人以上をサポートする中で発見した

実力を発揮できる人とできない人の違いを公開しています。

 

不安定な時代でも生き抜けていける人生を作りたい人だけ、ご覧ください

今すぐ読んでみる

コメント

コメントを残す

*