私のクライアントさんは、比較的

不器用な人が多いです。

 

不器用というのは、私は「魅力」だと

思っています。

 

不器用な人は、

よく壁にぶつかります。

 

何度も間違いをします。

 

まっすぐに進めばよいものを、

本人はまっすぐなつもりでも、右に傾いてしまったり、

左に傾いてしまったり。

 

その都度、

ガツンガツンと、壁や障害にぶち当たります。

上手にかわせばよいものを、

まともにぶち当たり、ダメージを受けます。

 

時には、壁にぶち当たるよりも前に

勝手につまずいて転んでしまうことさえあります。

 

それでも、前に進もうとします。

 

上手く物事を進めよう、とか、

壁をいかに避けながら進もうか、とか、

転ばないようにソロリソロリと進もう、とか。

そういった

「失敗することが嫌」、「失敗することを恐れる」

という人は、どちらかと言うと

私を避ける傾向にあります。

 

私は、失敗こそが財産である、と思っています。

 

ただしその失敗は、

「本当の失敗」であることが重要です。

 

本当の失敗とは、

「これが私の真本音だ!」と自分で信じて、

その通りに、その時出せるすべての力を使って

突き進む中での「失敗」です。

 

そういった「失敗」は、その時その瞬間は

「失敗」かも知れませんが、

後から長い目で見れば、

それは、「必要なステップ」であり、

「自分の望む成果を生み出すための大切な試行錯誤」であり、

「自分の進化のためになくてはならないプロセス」です。

 

失敗を恐れて、ソロリソロリと進んでも

何も得るものはありません。

 

ソロリソロリと進むことで結果を出すことができず、

「失敗しました」と言う人がいますが、

それは「失敗」ではなく、単なる「怠慢」です。

 

正しくても間違っていてもお構いなしに、

真本音だと信じた方向に進んでみる。

・・・そういった人を私はサポートしたいですし、

そういった人こそが、

「真本音で生きる」

ということを、理屈ではなく、体得します。

 

木村さんには確かに様々な反応本音のパターンが

ありました。

でも彼の素晴らしいところは、

何度失敗しても、自分の信じた通りに進もうと

したところです。

 

何度失敗しても、

「たけうちさん、これが私の真本音だと思うのです」

と堂々と私に語り、それを行動に移したことです。

 

その「真剣さ」に私は何度も

心を打たれました。

 

そして思いました。

「とことん、この人をサポートさせていただこう」

と。

 

ですから、

「プロのコーチになりたい」と

木村さんが言われた時、

それがたとえ反応本音レベルの想いだとわかっていても、

後で、その想い自体を「否定」することになるだろうと

わかっていても、

それでも私は本気で木村さんに伝えました。

 

「木村さんがプロのコーチになるために、

私は、どんなサポートをさせていただければよろしいですか?」

(→前回記事)

 

その瞬間、私は本気でそうしようと思って

言ったのです。

 

その迫力が恐らく、

木村さんに伝わったのでしょう。

彼は、しばらく

うろたえました。

 

しかし気持ちを整え直し、

私にこう言いました。

 

「プロのコーチになるために、

私はまずは何をすればよいでしょうか?」

 

私は即座に答えました。

 

「まずは、100人にコーチングをしてください。」

 

これは、私の主催するプロコーチ養成のための

講座の受講生さんに、いつもお伝えしていることです。

 

とにかく、まずは100人をコーチングする。

それができて初めて、

プロへのスタートラインに立てる、と。

 

「木村さん、お忙しいとは思いますが、

まずは、平日のお仕事が終わってから毎日二人ずつ、

そして土日に一日6人ずつ。

つまり、一週間に22名のコーチングを行なってください。

すると、5週間で100人できると思います。

まずはここからですね。」

 

つづく