モチベーションが

高まったり、

気分が高まっている時、

私達は

エネルギーに満ち溢れます。

 

それはとても

気持ち良いものです。

 

エネルギーが満ちることで

私達は

自信にも満ち溢れ、

何でもできそうな

気がします。

 

そのパワーは

未知の領域を

開拓できそうです。

 

これまで挑戦したことのない

ことに挑戦し、

これまで成し得たことのない

物事を

達成できそうです。

 

そしてそのままの勢いで

私達は

前進を始めます。

 

なかなかに凄い勢いの

前進です。

 

「飛ぶ鳥を落とす勢い」

というやつです。

 

しかし。

 

もしクライアントさんが

その状態に入った時、

その時こそが、

私が最も注意深くなる時

です。

 

なぜ注意深く

なるのか?

 

なぜなら、本当に

「飛ぶ鳥を落とす」ことは

してはならないからです。

 

もし

「飛ぶ鳥を落とす勢い」

であれば、

私はクライアントさんに

ストップをかけます。

 

それは、

本来のその人のエネルギーでは

ないからです。

 

そのエネルギーは

周りの人達から

奪い取っているものだから

です。

 

エネルギーやパワーには

2種類あります。

 

一つは、

外から奪い取ることで

発生するもの。

 

もう一つは、

自らの内側から

自然発生するもの。

 

後者の場合は、

「飛ぶ鳥を落とす勢い」

ではなく、

「飛ぶ鳥をさらに活かす」

ことができます。

 

つまり、

周りのあらゆる人達が

より元気になっていくのです。

 

それが、

本来のエネルギーであり

本来のパワーです。

 

私が、

真本音のパワー

と呼んでいるものです。

 

もし

「飛ぶ鳥を落とす勢い」系の

パワーの場合は、

それは長続きしません。

 

必ず、

終わりが来ます。

 

そして、

反動が来ます。

 

プラスに振れた分だけ

今度は

マイナスに振れることに

なります。

 

ある時は、

ワーッと勢いがいいのに、

ある時、突然

それがまるで嘘であったかのように

萎んでしまう。

 

パワーの乱高下を

起こしやすいのです。

 

するとその乱高下に

周りの人達は振り回され、

ますますエネルギーを

奪われることになります。

 

最もタチが悪いのは、

それを起こしている張本人が

それを起こしていることを

自覚していないことです。

 

どんどん疲弊していく

周りの人達を見て、

「奴らはダメだ」

と、その人は言います。

 

「奴らは俺に

ついて来ることができないのだ」

と。

 

一度でも、

「飛ぶ鳥を落とす勢い」を

体験してしまった人は、

その気持ち良さを

忘れることができません。

 

その時、その人が感じていることを

一言で表すと、

こうなります。

 

「万能感」。

 

もしくは

「全能感」。

 

つまり、自分が全知全能の神に

なれたような感覚。

 

この体験は

あまりに気持ちよく、

常にそこに戻りたいという

欲望を喚起します。

 

そこに戻るためには、

多少のパワーの乱高下など

気にしない。

 

そこに至る自分自身に

酔ってしまう状態です。

 

残念ながらこういった人には

どのような忠告も

効きません。

 

むしろ、

忠告する人を

遠ざけるようになってしまいます。

 

周りには、イエスマンしか

置かなくなります。

 

要するに、

裸の王様になるということです。

 

本来のパワー、

真本音のパワーに

「勢い」はありません。

 

それは、

静かなものです。

 

静かですが、

深いです。

 

それは

永遠に続きます。

 

勢いで人を動かすのではなく、

深い部分での

共鳴や共振によって

人と共に動きます。

 

真本音のパワーを

発揮している人の顔を

思い浮かべると、

それだけで人は

元気になれます。

 

早くその人に

会いたいなぁ、と思えます。

 

一緒にいるだけで

幸せになります。

 

ただしそれにより

依存を生み出すことは

ありません。

 

むしろ、

自立心と自律心を

生み出します。

 

私もその人のように

確固たる自分を持ち、

周りの人達を元気にしたい。

 

周りの人達を

活かしたい。

 

そういった「進化への欲求」が

頭をもたげるからです。

 

そういった自律心によって

広がる「仲間」は、

モチベーションアップとか

気分を高めるとか、

そんなことはいっさい

必要ありません。

 

表面上は

淡々と生きるだけです。

 

今、やることを

今、やるだけ。

 

しかしその

一挙手一投足には

魅力が溢れます。

 

うるさい魅力では

ありません。

 

静かで

心や魂に沁み渡るような

その人本来の魅力です。

 

「勢い」によって

人を動かす人のほとんどは

人々のパワーを

奪い取っています。

 

パワーの奪い合いは、

新たなパワーを

発生させることは

まずありません。

 

しかし私達人間の

本来のパワーは

無尽蔵です。

 

内側から湧き出す

真本音のパワーとエネルギーは

「循環」を生みます。

 

「奪い合い」ではなく、

「循環」。

 

しかもその循環は

お互いのパワーの次元を

どんどん高めます。

 

一人のパワーが

一緒にいることで

さらに高まっていく。

 

それが、

本来の私達人間の

姿です。

 

そんな組織やチームを

創りたいですね。

 

そのためには、

真本音で生きるリーダーが

必須なのです。

 

つづく