本当は孤独ではない

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階段が
見える。

無限に登る
ような
階段が。

しかも
逆流する
エスカレーターの
ような。

そこを必死に
登っていく。

先は見えない。

ただ、
光がある。

その光を
目指して。

・・・

私は
何者か?

なぜ
こんな生き方を
するのか?

この先に
何があるのか?

・・・

せめて
逆流のエスカレーターが
止まってくれることを
祈る。

祈りながら
登り続ける。

唯一の希望は
この先に見える
あの光だ。

まだまだ
遠いのだが。

・・・

もう
やめないか?

ここまで来れば
充分ではないか?

馬鹿らしいと
思わないか?

・・・

心の動きに
苦しくなる。

しかし
じっと耐えながら
進む。

結局、
一度も止まらずに。

・・・

このまま
人生を終えても
よいのか?

もっと楽な道を
スムーズに
進めば良いのでは?

こんなに頑張っても
ただの自己満足
ではないか?

・・・

自分が自分を
責め立てる。

年齢を
重ねるほどに。

しかしそれでも
進み続ける。

味方が
一人もいなくとも、

誰にも
理解して
もらえなくとも、

自分に絶望しか
なくなったと
しても、

きっと私は
止まらない。

ここまで来て
ようやくそう
思えるようになった。

きっと私は
もう
何があっても
止まらない。

・・・

まぁ、
わかったよ。

お前の
意志は。

ここまで来たら
もう、
好きにやれば
いいさ。

・・・

スッと
軽くなる。

ずっと後ろに
引っ張られていた
感覚が
ついになくなった。

エスカレーターも
止まった。

そしてなんと
上に向かって
動き始めた。

そうなって
ようやく私は
止まり、
少し休んだ。

休んでいても
エスカレーターが
上に
運んでくれる。

でもスピードは
まだ遅い。

少し休んだら
また進もう。

少しゆとりが
でき、
ようやく
わかってきた。

・・・

なんだ、私は
孤独では
なかったな。

こんなにも
支えられて
きたのか・・・。

つづく

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