出口への一歩

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一つのものを
千の視点から
同時に
眺めるような

不思議な
感覚が、その時
あった。

万華鏡の
ような、

無数の
プリズムの
ような、

交錯する
光の
乱舞の中で、

私は
一つとても
大事なことを
気づかせて
もらったんだ。

目の前には
垂直の
壁があり、

その壁は
全体が
滝になっている。

八方塞がり
で、
どこにも
進みようのない
状況。

そこに
確かに
出口を見たんだ。

出口は
ここには
ないのだが、

でも確かに
ここにしか
ない。

ないのに
ある。

あるのに
ない。

その意味が
最初は
わからなかった
のだが、

それがやっと
その時
わかったんだ。

すべての
次元は
今ここに
重なり合っている
と。

次元は
分離しているが、
すべて
ここにあり、

その意味に
おいて
一つである、と。

であれば
私のいる
次元のまま、
あの出口を
出られるはずだ、
と。

ここに
ないのに
ここにあり、

ここにある
のに
ここにない
もの。

その両方を
私は
すべて
信じよう、と。

どちらが
正しいか?
ではなく、
どちらも確かに
ここにある。

そして、ない。

そのすべてを
引き受ける
こと。

それこそが
覚悟なんだと、
ようやく
気づけたんだ。

そして
次の瞬間に
自分が
どの一歩を
踏み出せばよいか、

手に取るように
わかった。

理屈では
ない。

理由も
ない。

ただ、そこには
確信
のみが
あったんだ。

つづく

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