私の目の前で

何かが

燃えている。

 

強く強く

炎を放ちながら

何かが

一気に燃えている。

 

目を凝らすと

炎の中心に

何かがある。

 

黒い影が。

 

そこに意識を

集中させると

観えて来た。

 

「草原」

 

が。

 

・・・・・・

 

その「草原」は

広く広く

まるで無限のように

続いている。

 

他は

何もない。

 

ただ、

心地良い風のみが

緩やかに

吹き続けている。

 

いつの間にか

私は

その大地に

立っていた。

 

見上げれば

雲一つない

青空。

 

私は一人。

 

しかし

私はその世界と

一つだった。

 

・・・・・・

 

その「草原」が

燃えている。

 

なぜ、

燃えているのだろう?

 

燃え尽くした

後には

何が残るのだろう?

 

私はただ

その燃える様を

茫然と

眺めている。

 

「草原」の

内と

外から。

 

・・・・・・

 

しばらく経って

「草原」は

燃え尽くした。

 

後には

まるで灰のような

白い粉が。

 

その灰を

私は両手で

すくった。

 

すると、

そこから芽が

生えた。

 

その芽は

凄いスピードで

大きくなり、

 

まるで

ジャックと豆の木

のように

巨大化していく。

 

私はまたもや

茫然と

それをただ

眺めていた。

 

・・・・・・

 

いつの間にか、

私自身が

その巨大樹の

根に

なっていた。

 

そうか。

 

私はその巨大樹を

根元で

支え続けるんだな、

わかった。

 

それが

私の役割なんだな、

と。

 

恐らく・・・、

 

あの「草原」は

私の夢だ。

 

あの「炎」は

私の想いだ。

 

そして

「灰」に見えたものは

私が生み出した

「土」だ。

 

その「土」に

私自身が栄養となり

根となり

「夢」を実現していく。

 

そのためなら

私は

何だってやる。

 

もちろん、

巨大樹を育てるのは

私一人ではない。

 

私以外の

たくさんの「力」が

必要だろう。

 

しかし

その「力」達が

ちゃんと活きるためにも、

私は

しっかりとした

「根」となろう。

 

私は

すべてを活かす

根だ。

 

つづく