妄想の中で苦しむ人達

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水深1mくらいのプールの水に

うつ伏せになって浸かり、

息ができなくなって

全身をばたつかせながら

 

「溺れる〜っ!」

 

とパニックになっている

人がいたとします。

 

その人の身長は

160cm以上はあったとします。

 

それを見ているあなたは

その人に対して

何を思いますか?

 

溺れるも何も、

ただ、そこに

立てばいいのに。

 

なんでその人は

立たないのだろう?

 

ちょっと冷静になって

足を下に向ければ

すぐに水底に足がつき、

スックと立ち上がることが

できるのに。

 

なんでそんなに

パニックに

なっているのだろう?

 

・・・恐らく

そう思いますよね。

 

で、もしそう思ったとして、

その人に対して

どうしますか?

 

その人を

どう助けますか?

 

「おーい!

そこは浅いよ!

立てばいいんだよ!」

 

と声をかけても、

その人の頭と顔は

水の中ですから、

声は届きません。

 

じゃあ私が

引き起こしてあげよう

として、

その人の所まで行き、

その人の身体を

抱きかかえて

立たせようとしても、

その人が本当に

パニクっていて、

あなたは

振りほどかれてしまった

とします。

 

どうしよう・・・?

 

このままではこの人、

呼吸困難のまま

死んでしまう。

 

ただ、そこで

立てはいいだけなのに、

こんな浅いところで

この人は死んでしまう。

 

どうしよう?

 

・・・と困っちゃいますよね。

 

側から見れば、

どうでもいいようなこと、

すぐに解決できるような

ことでも、

本人にとっては

命を失ってしまうかも

しれないくらいの

一大事。

 

その中で

パニックになり、

本当であれば

そんなところで死ぬはずのない

場所で、

命を落とそうとしてしまう。

 

実は。

 

こういう人が

世の中には

いっぱいいっぱい

いるのです。

 

実は。

 

私の現場の実感としては

9割以上の人が

この状態です。

 

つまり、

本来は悩む必要のない

場所で、

悩んでいる。

 

そして、

そこで悩み続けることで

自分の人生を

死なせてしまっている、

もしくは、

人生をふいにしている

のです。

 

水深1mくらいのところで

パニックになるのは

まだマシな方で、

喩えれば、

洗面器に水を張り、

そこに顔をつけて

「溺れる〜っ!」

とやっている人さえ

いるのです。

 

ほとんどの人の

その悩みは、

本当は

悩みではありません。

 

水から顔を

上げれば済むだけの

ことです。

 

しかしそれが

できない。

 

なぜでしょう?

 

答えは簡単。

 

自分と

向き合って

いないからです。

 

・・・・・・

 

皆さんもご想像の通り、

私もかつては

その「溺れる人」

でした。

 

私なんかは

ひどかったですね。

 

だって、

自ら地面に穴を掘り、

そこに

自ら水を入れ、

その中に

自ら入り、

「溺れる〜っ!」

ってやってましたから。

 

で、

人生はなんて

辛いのだ。

 

人間はなんて

辛いのだ。

 

・・・って

本気で思って

いましたから。

 

辛いのが人生。

辛いのが人間。

 

心の底から

そう信じていました

から。

 

今は

そういう自分のことを

単なる自己満足だったな

と笑えるのですが、

当時は

本人としては

真剣そのもの。

 

「それがすべて」

でした。

「それが現実」

でした。

 

本当は、

すぐに足がつくくらいに

浅いところにいるのが

「現実」なのに。

 

洗面器に顔をつけている

だけの状態であることが

「現実」なのに。

 

まったく

「現実」が見えなく

なってしまう。

 

それは

なぜでしょう?

 

答えは簡単です。

 

自分と

向き合って

いないからです。

 

・・・・・・

 

自分と向き合うことの

できない人は、

現実と向き合うことも

できなくなります。

 

現実と向き合えない

ということは、

人と向き合えない

ということです。

 

そうなると人は

どうなるかと言うと、

 

「妄想の世界」

 

に入り、

浸ります。

 

自分の妄想。

 

自分が勝手に

創り上げた

狭い世界。

 

そこに入り込んで

出て来れなく

なります。

 

いえ、本当は

目を開ければ、

その瞬間に妄想だと

わかるのですが、

その人は

目をずっと

閉じています。

そして、

自分は目を開けていると

思い込んでいます。

いえ、

思い込むというよりも、

そのように自分で

自分に

信じ込ませています。

 

そういった人を

救い出すことができるのは

本人だけです。

 

周りがどれだけ

何とかしようと思っても、

その人の耳には

何も聴こえません。

 

周りの人達の想いも、

届きません。

 

よろしいですか?

 

だいぶひどいことを

書いていますが、

多かれ少なかれ、

そういった状態にある人が

私は

9割以上いると

申し上げているのです。

 

9割以上です。

 

世の中、

おかしくなるはずですね。

 

誰も現実を

しっかりと見ずに、

自分の妄想に基づいて

次の現実を

創り上げているのです。

 

その結果が

今の世の中です。

 

・・・・・・

 

一人でも

この妄想から

抜け出さねば

なりません。

 

でも残念ながら、

自分が妄想していることに

気づくのは

自分自身です。

 

他者が

気づかせることは

まず、

できません。

 

私もそうでしたし、

そしてコーチとして

本当にたくさんの人に

「それは妄想です!」

と伝え続けましたが、

その声は、

ほぼ、

届きませんでした。

 

自分が

自分を

解放する。

 

それしか

ありません。

 

解放された状態が

「自由」

という状態ですが、

多くの人は今、

自由ではないのです。

 

なのに

自分が自由であると

妄想しています。

 

では、

私にできる最大のことは

何だろう?

 

その

私なりの答えが、

「自分と向き合う方法を

伝えること」

でした。

 

それにより

「自分と向き合う

楽しさを知る」

きっかけをご提供する

ことでした。

 

自分と向き合えば

向き合うほど、

人はどんどん

楽になります。

 

自由になります。

 

その幸せを

感じていただくために、

「向き合い方」

「スキル」

としてご紹介し、

「やってみると楽しいよ」

とお伝えし続ける

ことでした。

 

これが私のこの

十数年です。

 

そして、

自分と向き合う方法。

 

これを

「セルフコーチング法」

と呼んでいます。

 

つまり、

セルフコーチングとは

妄想を取り払う方法。

 

妄想の世界から

自分を

解放させる方法です。

 

それは、

その人本人にしか

できないことなのです。

 

つづく

 

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