始まりの地にて

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空は真っ暗なのに

なぜか

地上は明るい。

 

私は

砂漠のような場所に

立っている。

 

その砂漠の砂が

真っ白に

輝いている。

 

白砂の輝きと

漆黒の空。

 

何とも言えない

コントラストの中に

私は一人でいる。

 

なぜ

ここにいるのか?

 

ここで

何をすればいいのか?

 

さっぱり

わからない。

 

わからないときは

焦りも出るが、

ジタバタしても

しょうがないのも

よくわかる。

 

だから私は

まぁいいか、

白い砂の上に

仰向けに寝転んだ。

 

大の字になって

黒い空を

見つめる。

 

大地は

あたたかい。

 

・・・・・

 

静かだ。

 

音一つない。

 

何もせずに

寝転んでいると、

自分なのか

自分でないのかが、

よくわからなくなる。

 

存在そのものが

よくわからなくなる。

 

ふと。

 

すべての始まりは

ここだったのかな、

思った。

 

私は何度も

ここに戻り、

「始まり」を

思い出しては、

 

今いる

場所(世界)へ

戻っていく。

 

今いる場所が

冒険の地だと

するならば、

 

じゃあここは

帰る場所なのかな、

とも

思う。

 

・・・・・・

 

さらに

ふと、

思ったのだ。

 

私はこの砂の一粒

なのだな、

と。

 

たった一粒の

この小さな砂は、

同時に

この世界そのものでも

ある。

 

一粒の砂に

すべては内包され、

一粒の砂は

すべての一部と

なる。

 

一部であり

全体である。

 

これが

真理。

 

これを忘れた時、

私達は

すべてを失う方向に

進んで行くのだろう。

 

すべてを

失うか?

 

すべてを

育てるか?

 

その境目に

今の私達は

あるのだろう。

 

・・・・・・

 

うむ。

 

もういいかな。

 

・・・と、

私は立ち上がる。

 

帰ってきて

よかったな、と

思う。

 

さて、

冒険に戻ると

するか。

 

どんな冒険を

するにしても、

 

大事なことを

忘れずに、

 

帰る場所を

忘れずに、

 

進みたい

ものだ。

 

帰る場所が

あるからこそ、

 

私達は

大冒険が

できるんだ。

 

つづく

 

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