邪悪な自分が溢れてくる

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それは強烈な一言でした。

 

「平井さんのこれまでの人生はすべて、

“自己愛”です。」

 

私がそう伝えたとき、

平井さんの全身の力が抜けるのが

明らかにわかりました。

(→前回記事)

 

しばらく彼は、茫然自失、

フリーズしている状態でした。

 

数分の間、・・・いえ、もっと長い時間だったかも

知れません。

彼はずっと無言のままでした。

 

私はただそこにいました。

私も何もしません。

 

後になって、彼にこの時のことを聴いたことが

あります。

まず、彼は自分が茫然自失状態のまま

ずっと無言だったことを覚えていませんでした。

 

そして、

「実は、たけうちさんのあの言葉を聴いたとき、

私はあの場から逃げ出そうと思いました」

と。

しかし、逃げようにも

体が上手く動かなかったと。

 

正確には、

心が上手く動かなかったのでしょう。

 

これは端から見れば、

コーチである私が強烈な言葉を浴びせた

外圧的なコミュニケーションでしょう。

しかし、

本質はまったく異なります。

 

「自己愛」の一言は、

本来、平井さんの真本音が平井さん自身に

与えたかったメッセージです。

しかし上手くそれが顕在化できなかったために

代わりに私がそれをキャッチして

伝えただけなのです。

 

つまりその時の私は平井さんの

「鏡」

でした。

 

しかしその「鏡」は強烈な鏡です。

そこに映っていたのは、

できることなら顕在意識の平井さんにとって

決して見たくない自分自身の姿だったでしょう。

 

平井さんは、私という「鏡」を通じて

自己対話をしました。

真本音の自分との自己対話です。

 

これこそが

『真本音コミュニケーション』の本質です。

 

「自己愛」とは何なのか?

それはどのような意味なのか?

という、そういった説明は何も必要ありません。

なぜならその一言は、

平井さん自身だからです。

これまでの平井さん自身です。

 

その日のコーチングはそれで終わりでした。

 

私は平井さんに

「何かあったらすぐに私にご連絡ください。

決して遠慮せずに、すぐにその場でご連絡ください」

とお伝えしました。

 

その日の夜中。

 

確か、もう12時をまわっていたと思います。

平井さんから私の携帯にお電話が入りました。

 

私はそれを予測していました。

 

「私は、おかしくなってしまったのでしょうか。

私の中に邪悪な心がたくさん生まれています。

どうすればよいでしょうか?」

 

「平井さん、

それは今、生まれた心ではありませんよ。

もともと平井さんの心の中にあり続けていたものです。

平井さんがずっとフタをしてきた気持ち達です。

ここからちょっと大変ですが、

その気持ち達としっかりと向き合ってください。

方法は今からお伝えします。」

 

平井さんの「一撃必殺」は

効果があったということです。

 

平井さんはついに

自分を壊しにかかりました。

 

ただしそれは非常によいことです。

自分を壊すといっても、

「これまでの自分」を壊すということであり、

平井さん自身の真本音を阻害していた自分を壊す

ということですから。

 

しかしここからが本当の勝負でした。

ここでしっかりと自分と向き合い切れるかどうか。

 

一撃必殺コーチングの本当のサポートは

ここからです。

 

つづく

 

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